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2010 年度 実績報告書

食品成分の相互作用による肝臓脂肪酸代謝制御

研究課題

研究課題/領域番号 22580143
研究機関十文字学園女子大学

研究代表者

井手 隆  十文字学園女子大学, 人間生活学部, 教授 (20127971)

キーワードゴマリグナン / 魚油 / 脂肪酸酸化活性 / 遺伝子発現 / ペルオキシゾーム / 相乗作用
研究概要

ゴマリグナン(セサミンとエピセサミンの等量混合物)と魚油の組み合わせはラット肝臓の脂肪酸酸化活性とペルオキシゾーム脂肪酸酸化系酵素遺伝子発現を相乗的に上昇させる。本年度は両食品成分の用量依存性の効果について検討した。実験動物(ラット)に与える飼料中のゴマリグナン濃度を十分大きな脂肪酸酸化活性上昇が観察されるレベルに固定し(0.2%)、同時に添加する魚油のレベルを0,1.5および3.0%と段階的に変化させた時の効果を調べた。飼料へのセサミンの添加は肝臓の各種脂肪酸酸化系酵素の活性を増加させるが、増加の程度は魚油を同時添加することによりはるかに大きくなった。特に、ペルオキシゾーム脂肪酸酸化活性とアシル-CoA酸化酵素(ペルオキシゾームβ酸化の制御酵素)の活性増加は大きく、魚油を添加したセサミン食群で、魚油を添加しないセサミン食群と比較し値は2倍以上となった。さらに、ペルオキシゾームの脂肪酸酸化系酵素(カルニチンオクタノイル転移酵素、アシル-CoA酸化酵素および3-ケトアシル-CoAチオラーゼ)のmRNA量はセサミンにより増加するが、増加率は魚油添加で無添加群と比較し、2~3倍の値を示した。しかし、種々のミトコンドリア酵素のmRNA量にはセサミンと魚油による相乗的増加は観察されなかった。また、魚油の添加効果に量依存性の効果は観察されず、以前行った実験結果と合わせ、魚油によるセサミンの脂肪酸酸化活性増強作用は添加量1.5~8.0%で同等と判断された。以上のように、魚油は日本人の摂取量にほぼ匹敵する添加量1.5%以下でも、セサミンの生理活性増強作用を発揮すると考えられる。さらに、セサミン添加量を半減させた場合(0.1%)でも、飼料に2%レベルの魚油を同時添加することにより、相乗的な脂肪酸酸化活性上昇が起きることも確認された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Enzymatic-HPLC method to analyze D-3-hydroxybutyric acid in rat serum.2010

    • 著者名/発表者名
      Ide T.
    • 雑誌名

      Biosci Biotechnol Biochem.

      巻: 74 ページ: 1578-1582

    • 査読あり
  • [学会発表] ポリフェノールの有効性の評価:動物実験の役割2010

    • 著者名/発表者名
      井手隆
    • 学会等名
      第4回ポリフェノール研究会
    • 発表場所
      十文字学園女子大学(新座市)(招待講演)
    • 年月日
      2010-08-06
  • [学会発表] α-リポ酸によるラット肝臓の薬物代謝関連遺伝子発現変化-DNAマイクロアレイによる解析2010

    • 著者名/発表者名
      井手隆
    • 学会等名
      第64回日本栄養・食糧学会大会
    • 発表場所
      アスティとくしま(徳島市)
    • 年月日
      2010-05-23

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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