レプチンレセプターが欠損し、遺伝的に肥満が誘導されるラット(Zucker Fatty Rat)を用い、ホップポリフェノールの濃度を変えて投与して生理効果の濃度への依存性とホップポリフェノールの摂取至適濃度を検証した。5週齢雄Zuker Fattyラットにホップポリフェノールをそれぞれ0.2%、1.0%添加した25%コーン油含有AIN93G純化飼料をそれぞれ85日間、摂取量に差がでないようにペアーフィーディング条件で投与した。その結果、白色脂肪組織重量は対照の無ポリフェノール飼料を摂取した群と比較してホップポリフェノール摂取群は有意に低くなった。血清脂質成分については、トリグリセリド濃度は対照と比べ、ホップポリフェノール摂取群は低い傾向にあった。肝臓脂質成分はホップポリフェノール摂取による変動はなかった。糖尿病パラメータの血清ヘモグロビンAlcレベルは対照と比べて、ホップポリフェノール摂取で若干低くなった。肝臓の脂肪酸合成と分解のキー酵素の活性を測定したところ、脂肪酸合成系のFASは対照と比べて、ホップポリフェノール摂取群では濃度に依存して活性が低くなる傾向にあった。G6PDHも対照と比べて、ホップポリフェノール摂取群は活性が低くなる傾向にあった。一方、分解系のACOXは対照と比較してホップポリフェノール摂取群は濃度に依存して高くなる傾向にあった。このように、ホップポリフェノール摂取により肥満に伴う糖尿病発症は遅延する可能性がある予想された。
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