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2011 年度 実績報告書

素材生産における環境配慮を進めるための事業体論及び業界論の構築

研究課題

研究課題/領域番号 22580165
研究機関宮崎大学

研究代表者

藤掛 一郎  宮崎大学, 農学部, 教授 (90243071)

キーワード林業 / 素材生産 / 環境保全 / 業界活動 / 認証制度
研究概要

2000年代中頃よりわが国の木材生産量が増加傾向にある中で、素材生産の現場では伐採跡地の荒廃が問題化している。本研究では、業界活動として素材生産における環境配慮に取り組んでいる宮崎県のNPO法人ひむか維森の会を主に取り上げ、分析している。本年度は、米国において同様の活動を行っているメイン州の素材生産業界を取り上げ、ひむか維森の会との比較分析を通じて、環境配慮に関わる業界活動の可能性について検討した。メイン州では素材生産事業体の組合であるPLCが1995年に創設された後、その活動の一環として1999年からMLCという素材生産事業体認証制度が立ち上げられていた。これまでの経緯の分析から、PLC設立及びMLC発足は、木材産業界と森林所有者団体との関係において、自主的な素材生産業界の発展と社会的責任の達成を目指したものであったことが明らかとなった。MLCはその後メイン州内では100以上の事業体が認証を取得して制度として定着するとともに、米加の30州に広がり、素材生産業界と環境保護団体との関係が改善されるなど、自主的な取り組みの重要性は日本におけるひむか維森の会の活動と共通するところが見られた。ひむか維森の会の活動の分析から課題として挙げられた業界と個別事業体とのギャップに関しては、業界活動がこの業界活動に参加しない無関心な事業体にも影響を与えずにはいないことなど、業界内のダイナミズムが生じることに関して新たな知見を得た。米国では木材産業の中でも製紙産業のプレゼンスが大きく、このことがMLCに経済的意義を与えている点が日本とは異なっており、このような産業を取り巻く環境が環境配慮の業界活動に影響を与えるであろうと考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

一年目のNPO法人ひむか維森の会の活動の分析及び、二年目の米国TCNF及びPLCの活動の分析を当初の予定通り終えて、業界論を深めることができた。

今後の研究の推進方策

業界論をさらに深め、また、素材生産業の性格を解明するために、事業体論の構築に取り組む。そのために、一人親方から森林組合まで各種の事業体タイプの分析を三年目の課題とする。

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公開日: 2013-06-26  

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