薪炭林として短伐期施業で利用されていた里山林の生物多様性保全機能および炭素吸収源としての機能を評価する意見が強いが、これらの見解を支持する実証的データはこれまで示されていない。本研究は短伐期施業で経営される里山林で林齢に伴う生物多様性と炭素収支の実態を定量的に評価した。 植生変化の大きい短伐期林において様々な遷移段階が小林分ごとに隣接して存在することが高い生物多様性をもたらしていることを明らかにした。里山林の炭素収支をバイオマスの林齢に伴う変動として定量的にとらえ、バイオマス増加速度から最適伐期齢を指摘した。これらの成果は里山林の有効利用の指針として、NPOや行政に受け渡すべきものである。
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