研究課題/領域番号 |
22580176
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研究種目 |
基盤研究(C)
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応募区分 | 一般 |
研究機関 | 山梨県森林総合研究所 |
研究代表者 |
長池 卓男 山梨県森林総合研究所, 森林研究部, 主任研究員 (50359254)
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研究分担者 |
吉田 俊也 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (60312401)
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キーワード | 材積成長 / 樹高成長 / 常緑性・落葉性 |
研究概要 |
社会的背景を考慮した新たな人工林施業を考えるために、複数の樹種を植栽した混交植栽人工林において、(1)炭素固定機能を地上部の蓄積量・成長量および成長経過から明らかにし、(2)立木の個体間距離や立木密度から、混交植栽人工林における林分構造・林内光環境・土壌養分が相互作用的に及ぼす炭素固定機能(生産性)への影響を定量化し、単一植栽人工林と比較する。このことによって、混交植栽人工林において生産性を損なわないための間伐指針を明らかにする。 平成22年度に行った山梨県有林内の混交植栽人工林のリストアップ結果から、単一植栽人工林と混交植栽人工林での材積の比較を、森林簿のデータを用いて行った。カラマツ-シラベ混交植栽人工林では、カラマツがシラベの材積・樹高ともに上回っている林分がほとんどであった。それぞれが単独で植栽された際の樹高・材積と比較すると、樹高よりも材積に関して、より地位が上位である傾向が示された。 山梨県鳴沢村内の列状伐採された41年生のカラマツ-シラベ人工林において設定した100×80mの調査区において、樹冠の計測と、成長錘による成長経過の把握を行った。樹高に関しては、平均でカラマツ16.3m、シラベ16.8mと、差は見られなかった。樹冠長に関しては、カラマツ5.5m、シラベ8.7mと、シラベの方がより長い樹冠を有していた。これは、樹冠部での競争において、常緑性であるシラベが、落葉性であるカラマツを抑圧していることが示唆された。 主に2000年以降の混交植栽人工林における文献をレビューし、「混交植栽人工林における現状と課題」と題した総説にまとめ投稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初想定していた多数の調査地を設定することに関しては、間伐履歴の違い等により行えていないが、森林簿での調査や固定調査地において、当初の目的を達成することは可能であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
成長経過の解析から、競争効果が発生する年数や立木密度を明らかにすることで、間伐指針についての示唆を得る。
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