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2012 年度 実績報告書

魚類の神経筋運動系の使い回し仮説の検証

研究課題

研究課題/領域番号 22580198
研究機関広島大学

研究代表者

植松 一眞  広島大学, 生物圏科学研究科, 教授 (00116542)

研究分担者 藤川 愉吉  広島大学, 生物圏科学研究科, 講師 (10506687)
研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワードアユ / 脳 / 産卵中枢 / 裸状型卵巣 / 体側筋 / c-fos / 最初期遺伝子 / 特異抗体
研究概要

アユc-Fos組換えタンパク質の発現に、大腸菌のコドン使用頻度に最適化したc-fos DNAを用いた。大腸菌BL21 (DE3) からHisタグ融合タンパク質として発現させたアユc-Fosを精製し、ウサギに免疫した。得られたアユc-Fos抗血清の特異性を、アユ脳のタンパク質抽出液を用いてウェスタンブロット法で評価したところ、アユc-Fosの推定分子量付近に単一のバンドが認められた。しかしながら、神経興奮薬であるカイニン酸をアユ腹腔内に投与してから60分後にc-fos mRNA発現の有意な増加が見られたものの、c-Fosタンパク質の発現量に変動はなかった。これはアユのカイニン酸への感受性が他の魚種よりも低いため、カイニン酸による神経興奮が不十分であった可能性が考えられるが、原因は不明である。 アユの産卵誘発に必要な水流や底砂などの環境を再現した6個の水槽に、それぞれ成熟したメス2尾、オス4尾を入れて一晩放置した。翌朝、産卵した個体および対照個体の脳を4%パラフォルムアルデヒドで固定した。その後、常法によりパラフィンに包埋して脳の連続横断切片 (10 μm) を作製した。この切片にアユc-Fos抗血清を用いたABC法による免疫染色を施し、顕微鏡下で観察したところ、産卵後アユの終脳から延髄までの広範囲にわたって陽性細胞が観察された。特に遊泳の開始に深く関係する内側縦束核には、対照個体よりも産卵個体により多くの陽性ニューロンが観察され、その染色態度もより強かった。一方、マウスナー細胞はどちらの個体においても免疫反応は陰性であった。 以上より、アユでは左右の体側筋を使った通常の波状運動による遊泳を制御する中脳の内側縦束核ニューロンが、産卵時には高頻度でより強く発火することにより体側筋を強縮状態に至らしめる結果、腹腔内圧が高まることで卵を体外へ放出する可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

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公開日: 2014-07-24  

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