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2011 年度 実績報告書

DNA型トランスポゾンによる養殖ノリ分子育種法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22580203
研究機関熊本大学

研究代表者

瀧尾 進  熊本大学, 沿岸域環境科学教育研究センター, 教授 (60188109)

キーワード養殖ノリ / 遺伝子 / 転移因子 / スサビノリ / ストレス
研究概要

海苔養殖に利用されているスサビノリは大型海藻のモデル植物として注目されており、ゲノムプロジェクトもほぼ終了し現在公開待ちの状況にある。しかし,遺伝子導入法や形質転換体作出法など遺伝子資源を活用するための基礎技術が確立していない。本研究は,スサビノリからDNA型トランスポゾン遺伝子を分離し,ストレス処理による活性化を用いて効率的な変異体作出法を開発することを目的としている。H22年度は,かずさDNA研究所に登録されているスサビノリESTデータベースから6種のトランスポゼース様遺伝子を見いだし,それらの部分配列をもとに発現様式を調べた。その結果,4種の遺伝子は通常状態ではアンチセンス配列が転写され,ストレス処理にも応答しなかった。一方,細菌の挿入因子および真核生物のSn/Spmのトランスポゼース領域と相同性のある2種の遺伝子は通常状態でもセンス鎖配列がごく微量発現し,銅ストレス処理により発現がわずかに増大した。細菌型トランスポゾンが真核生物でも活性型因子として存在する例は知られていないが,起源の古い紅藻スサビノリには残存している可能性が考えられた。そこで,H23年度は細菌型トランスポゾンに焦点をあて,他の5種のトランスポゼース様遺伝子と比較しながら,遺伝子構造と発現様式を再検討した。その結果,細菌型トランスポゾンは201アミノ酸のトランスポゼース様配列のみをコードする単純な構造をもち,磁性細菌の挿入因子と相同性があることがわかった。また,ストレス条件を再検討した結果,同因子は銅ストレスにより転写が活性化されることが確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成21年度にはスサビノリゲノムプロジェクトがほぼ終了したことが新聞紙上でプレリリースされたため,平成23年度はこの公開情報をもとに研究を進める予定であったが,公開が遅れて平成24年4月の時点でも非公開である。ゲノム情報の公開との動向を考慮したために研究の進展が若干遅れた。

今後の研究の推進方策

H23年度の研究から細菌型挿入因子様遺伝子に焦点を絞ることができた。幸い,同遺伝子は単純な遺伝子構造であり,また細菌型であることから真核型因子よりも機能解析が容易ではないかと期待している。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] Three dinamin-related protein 5B genes are related to plastid division in Physcomitrella patens2011

    • 著者名/発表者名
      Sakaguchi, E., Takechi, K., Sato, H., Yamada, T., Takio, S., Takano, H.
    • 雑誌名

      Plant Sci

      巻: 180 ページ: 789-795

    • DOI

      10.1016/j.plantsci.2011.02.003

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Loss of the plastid envelope protein AtLrgB causes spontaneous chlorotic cell death in Arabidopsis thaliana2011

    • 著者名/発表者名
      Yamaguchi, M., Takechi, K., Myouga, F., Imura, S., Sato, H., Takio, S., Shinozaki, S., Takano, H.
    • 雑誌名

      Plant Cell Physiol

      巻: 53 ページ: 125-134

    • DOI

      10.1093/pcp/pcr180

    • 査読あり
  • [学会発表] ヒメツリガネゴケにおいて葉緑体分裂に関与するD-アラニン:D-アラニンリガーゼ2012

    • 著者名/発表者名
      谷所幸治, 武智克彰, 瀧尾進, 高野博嘉
    • 学会等名
      第53回日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      京都産業大学(京都市)
    • 年月日
      20120316-20120318
  • [学会発表] 緑化した葉の一部が白色化していくシロイヌナズナapg17タグラインの解析2011

    • 著者名/発表者名
      山口瑞貴, 明賀史純, 佐藤博, 滝尾進, 武智克彰, 篠崎一雄, 高野博嘉
    • 学会等名
      日本植物学会第75回大会
    • 発表場所
      東京大学(東京都)
    • 年月日
      2011-09-17
  • [学会発表] シロイヌナズナの葉の細胞の横幅を決めるANGUSTIFOLIA(AN)遺伝子の相同遺伝子PpAN1-1、1-2はヒメツリガネゴケの茎葉体において茎の細胞の縦幅を制御する2011

    • 著者名/発表者名
      橋田芳和, 宮島兼佑, 武智克彰, 樋口智文, 沖田友美, 山本慈恵, 滝尾進, 塚谷裕一, 高野博嘉
    • 学会等名
      日本植物学会第75回大会
    • 発表場所
      東京大学(東京都)
    • 年月日
      2011-09-17
  • [学会発表] 紅藻スサビノリにおけるブロモペルオキシダーゼの活性発現機構の解析2011

    • 著者名/発表者名
      松田竜也, Rengin Ozgur, 武智克彰, 高野博嘉, 瀧尾進
    • 学会等名
      第14回日本マリンバイオテクノロジー学会大会
    • 発表場所
      静岡県コンベンションアーツセンター(静岡市)
    • 年月日
      2011-05-28
  • [学会発表] Transposable elements in a red alga, Porphyra yezoensis2011

    • 著者名/発表者名
      Takio, S
    • 学会等名
      BIT7s 1^<st> Annual World Congress of Marine Biotechnology
    • 発表場所
      大連国際会議場(中国)(招待講演)
    • 年月日
      2011-05-25
  • [学会発表] ヒメツリガネゴケANGUSTIFOLIA1-1/1-2二重遺伝子破壊ラインの表現型2011

    • 著者名/発表者名
      橋田芳和, 宮島兼佑, 武智克彰, 樋口智文, 沖田友美, 山本慈恵, 滝尾進, 塚谷裕一, 高野博嘉
    • 学会等名
      第61回日本植物学会九州支部大会
    • 発表場所
      長崎大学(長崎市)
    • 年月日
      2011-05-21
  • [学会発表] 緑化した葉の一部が白色化するシロイヌナズナapg17タグラインの解析2011

    • 著者名/発表者名
      山口瑞貴, 井村信弥, 鍋島一真, 明賀史純, 篠崎一雄, 佐藤博, 滝尾進, 武智克彰, 高野博嘉
    • 学会等名
      第61回日本植物学会九州支部大会
    • 発表場所
      長崎大学(長崎市)
    • 年月日
      2011-05-21

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公開日: 2013-06-26  

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