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2012 年度 実績報告書

サンゴ礁池における魚類の生産性と大規模な人為的環境撹乱の影響

研究課題

研究課題/領域番号 22580206
研究機関琉球大学

研究代表者

立原 一憲  琉球大学, 理学部, 准教授 (70264471)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワードサンゴ礁池 / 中城湾 / ドロクイ類 / ヒメジ類 / 年齢と成長 / 成熟期 / 埋め立て / 自然交雑
研究概要

(1)ドロクイ属2種:ドロクイとリュウキュウドロクイは、いずれも孵化後約7日で沖合底層から波打ち際に加入した。加入場所としては、砂浜海岸が選択されるが、成長に伴い体長15mmに達すると泥干潟へ移行した。すなわち、ドロクイ属にとっては、砂浜海岸と泥干潟が隣接する海岸にセットで存在することが必要であることが明らかとなった。沖縄島で進行している大規模な埋め立ての結果、従来、異なる場所で産卵していた両種が、同じ場所で産卵せざるを得なくなり、その結果自然交雑種が出現すると推定された。
(2)ヒメジ科15種:ヒメジ科魚類は、同所的に複数種が生息しているが、種毎に異なる形態的特徴(眼径・鬚)を持ち、それらの特徴により、採餌行動、採餌場所、採餌時間帯、餌生物が異なることが明らかとなった。すなわち、“食い分け”“棲み分け”“時間分け”併用することにより、サンゴ礁池内のマイクロハビタットを極めて上手く使い、複数種が同一環境に生息することを可能にしていることが分かった。
(3)持続的有効利用への提言:サンゴ礁池に出現する水産重要種は、仔稚魚の着底場所、摂餌場所、生息場所など生活史の様々な段階でマイクロハビタットを上手く利用することで共存していることが明らかとなった。逆にいうと、大規模な埋め立て工事などの人為的な影響により、生息環境が単純化すると、種間交雑や生産性の著しい低下を引き起こすことが示唆された。今後、埋め立て等の人為的環境改変の際には、単純に成魚の生息場所野有無を論じるのみでなく、成長段階や種間でのマイクロハビタットの利用方法を詳細に検討してその影響を評価する必要がある。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Reproductive biology of Japanese gizzard shad (Nematarosa japonica) in coastal water around Okinawa Island, Ryukyu Archipelago, southern Japan.2012

    • 著者名/発表者名
      Uehara, M. and K. Tachihara
    • 雑誌名

      Ichthyological Research

      巻: 59 ページ: 314-322

    • DOI

      10.1007/s10228-012-0291-1

  • [学会発表] 漁業情報に基づくドロクイ属魚類の分布と生息環境2012

    • 著者名/発表者名
      上原匡人・太田格・海老沢明彦・立原一憲
    • 学会等名
      2012年度日本魚類学会年会
    • 発表場所
      水産大学校
    • 年月日
      20120921-20120924
  • [学会発表] 沖縄島におけるヒメジ科魚類の摂餌行動の比較2012

    • 著者名/発表者名
      鮫島翔太・立原一憲
    • 学会等名
      2012年度日本魚類学会年会
    • 発表場所
      水産大学校
    • 年月日
      20120921-20120924
  • [学会発表] 沖縄島におけるアカヒメジ属2種 アカヒメジとモンツキアカヒメジの年齢と成長2012

    • 著者名/発表者名
      鮫島翔太・立原一憲
    • 学会等名
      平成24年度日本水産学会秋季大会
    • 発表場所
      水産大学校
    • 年月日
      20120914-20120917
  • [学会発表] Life history characteristics of Picasso triggerfish, Rhinecanthus aculeatus.

    • 著者名/発表者名
      Fabienne Kumzli and Katsunori Tachihara
    • 学会等名
      International Coral Reef Symposium
    • 発表場所
      Cairns, Australia

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公開日: 2014-07-24  

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