研究課題/領域番号 |
22580213
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
J・M Dijkstra 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助教 (10387681)
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キーワード | 水産学 / 免疫学 / 魚類 / Tリンパ球 / 生体分子 / LAG-3 / 調節性T細胞 / Th2 |
研究概要 |
LAG-3分子のリガンドは古典的MHCクラスII分子である。しかしながら、魚類には数多くのクラスII遺伝子が存在しており、その多くは古典的遺伝子ではないと考えられる(論文作成中)。魚類においてMHCクラスIIが古典的かどうか判断する際の現時点で唯一使用可能な指標は、個体ごとに対立遺伝子が異なってくる多型性である。しかし我々が調べている3倍体のギンブナではその様な指標は得られず、それ故この自然にクローンとなっているフナの祖先の解析が必要となった。このフナは関係するフナより由来する3種のハプロイドゲノムから形成されたと考えられる。日本フナに関する専門家の協力を得て、すでに多くの個体のG6F-like遺伝子の解析を行い、また現在MHC遺伝子について解析を行っており、近い将来に研究をまとめる予定である。 LAG-3遺伝子は大西洋タラでは見出すことができないが、この魚種はMHCクラスII遺伝子を欠いており、魚類LAG-3がやはりMHCクラスII分子をリガンドとする証拠と考えられ、論文を作成中である。また魚類IL-15Ra、IL-2およびIL-15については、遺伝子および機能レベルでの解析を開始した。魚類は典型的なTregマーカーであるIL-2Raを欠いており、IL-2、IL-15の両者がIL-15Raに結合し得る。我々はIL-15とIL-2両者のサイトカイン濃度のバランスが免疫反応の増強または抑制の決定に重要であると推測している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
LAG-3に関する実際のデータがまだ得られていないが、この遅れは主として論文執筆が律速となっているためであり、既に魚類MHC及びTregに関する洞察を多数得ており、近い内に多くの論文を投稿予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、MHCクラスII遺伝子の解析を進めた後に魚類LAG-3分子のMHCクラスII分子への結合を解析する。
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