研究課題/領域番号 |
22580217
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研究機関 | 独立行政法人水産総合研究センター |
研究代表者 |
山下 秀幸 独立行政法人水産総合研究センター, 開発調査センター, 開発調査専門役 (60569630)
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研究分担者 |
東海 正 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (30237044)
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研究期間 (年度) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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キーワード | アカアマダイ / 漁具選択性 / 産卵期 / 資源管理 / 集団構造 / 成熟 / DNA / YPR |
研究概要 |
1.これまでに収集してきた東シナ海産アカアマダイの生物情報を補完するために,新たに月別に標本を入手し,その卵巣の熟度指数(GSI:Gonad Somatic Index)を把握するとともに,薄片標本を作製し,組織観察を行った。その結果,GSIが1程度と高い値でも卵巣卵の退行が始まっている個体も確認され,これまでに行ってきたGSIのみによる成熟の判断では不十分であることが明らかとなった。このことを考慮して組織観察結果も併せて判断した結果,今回得られた標本からは産卵盛期は8,9月と推定された。 2.これまでに解明してきた,アカアマダイの釣針の選択性および生物特性を用いて,延縄で使用する釣針の大きさ別の加入あたり漁獲量(YPR)と漁獲金額(VPR)および加入あたり産卵量(SPR)を求め,漁獲金額を最大にしつつ持続的な漁業経営が可能となる最適な釣針の大きさを求めた。その結果,鯛縄針では15号で漁獲金額が最大となり,また%SPRも30%以上を確保し,資源を維持することが可能であると判断された。 3.これまでに収集してきた日本各地のアカアマダイに加え,分布の南限と思われる台湾産アカアマダイの標本を入手し,形態比較およびmtDNAのD-Loop領域の塩基配列分析をした。その結果,北日本から東シナ海および台湾周辺海域のアカアマダイに変異性は認められず,一つの集団と判断された。今後,アカアマダイ資源について検討する際には,地域資源のみならず,全体としての資源を考慮することが重要と考えられる。 4.東シナ海産アカアマダイの他に,引き続き他のアマダイ属魚類の標本を収集するとともに,種不明のアマダイ科魚類を入手し,形態比較及びDNA分析を行った。その結果,複数の交雑個体が確認された。資源解析を行う上でも種の混乱を避ける必要があり,種による形態の違いやDNAによる種判別法の確立により,これに貢献し得る。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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