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2012 年度 実績報告書

水産筋肉タンパク質のATPによる変性抑制研究

研究課題

研究課題/領域番号 22580225
研究機関鹿児島大学

研究代表者

木村 郁夫  鹿児島大学, 水産学部, 教授 (30443344)

研究分担者 進藤 穣  鹿児島大学, 水産学部, 准教授 (30271141)
研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード水産物 / 変性抑制 / ATP / 魚肉タンパク質 / ミオシン / ミオグロビン / メト化 / 筋小胞体
研究概要

「目的」生体内エネルギー物質のATPについて、1.ATPによる筋肉タンパク質の変性抑制機序の解明、2.水産物の筋肉中のATP濃度とタンパク質編成との関係、特に、凍結保存時の編成速度に及ぼす影響について明らかにすることを目的としている。水産物の筋肉タンパク質は不安定であり、高品質な凍結保存を行うための条件設定など新しい加工処理技術の構築への応用が期待できる。
「研究成果」
1.魚類ミオグロビン(Mb)は、鮮度低下や-20℃のような温度帯で保存すると、ヘム鉄が2価から3価に酸化されてメトミオグロビン(metMb)が生成する。metMbは褐色を呈するため、これが蓄積すると刺身としての商品価値を失う。メト化抑制法の開発が水産業界から強く求められている。本研究において、生理的な濃度のATPが存在すると、Mbのメト化進行は強く抑制されることが明らかとなった。ATPによるMbメト化抑制機序については、ATP存在下におけるMbの可視部吸収スペクトル、CDスペクトル、Mb蛍光の変化および動的散乱光による分子径分析、表面電荷測定により、ATPが存在するとMbの分子状態が変化(小さい構造をとる)することが確認され、これがMbのメト化抑制に作用していると推察している。ATPが筋肉中に残る状態で凍結保蔵すると、メト化が遅くなることを実際の魚肉でも確認することができており、水産業界での応用が期待される。
2.マグロ肉で用いられているMbメト化測定法では、魚種が異なると正確なメト化率が測定できない問題があったので、マグロ以外の5魚種Mbのメト化率測定方法を構築した。
3.ATPは、筋小胞体Ca-ATPaseの熱安定性、および酸性pHにおける安定性を高めること、および魚種によりその安定性は異なり、生息水温の高い魚種で安定であることを確認した。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] Suppressive effect of ATP on autoxidation of tuna oxymyoglobin to metmyoglobin2013

    • 著者名/発表者名
      Kota Inohara, Ikuo Kimura, Chunhong Yuan
    • 雑誌名

      Fishery Science

      巻: 79 ページ: 503-511

    • DOI

      DOI:10.1007/s12562-013-0622-9

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ATPによる魚類筋原線維タンパク質の冷凍変性抑制2012

    • 著者名/発表者名
      緒方由美
    • 雑誌名

      日本水産学会誌

      巻: 78 ページ: 461-467

    • 査読あり
  • [学会発表] ゴマサバの冷蔵保蔵における鮮度変化測定の検討2013

    • 著者名/発表者名
      小池博希
    • 学会等名
      平成25年度日本水産学会春季大会
    • 発表場所
      東京海洋大学
    • 年月日
      20130326-20130330
  • [学会発表] ゴマサバ筋肉タンパク質の構造安定性2013

    • 著者名/発表者名
      緒方由美
    • 学会等名
      平成25年度日本水産学会春季大会
    • 発表場所
      東京海洋大学
    • 年月日
      20130326-20130330
  • [学会発表] 各種魚類ミオグロビンのメト化率測定方法の検討2013

    • 著者名/発表者名
      井ノ原康太
    • 学会等名
      平成25年度日本水産学会春季大会
    • 発表場所
      東京海洋大学
    • 年月日
      20130326-20130330
  • [学会発表] 魚類ミオグロビンの分子状態に及ぼすATPの影響2013

    • 著者名/発表者名
      井ノ原康太
    • 学会等名
      平成25年度日本水産学会春季大会
    • 発表場所
      東京海洋大学
    • 年月日
      20130326-20130330
  • [学会発表] 魚類ミオグロビンのATPによるメト化抑制2013

    • 著者名/発表者名
      井ノ原康太
    • 学会等名
      平成24年度日本水産学会九州支部大会
    • 発表場所
      九州大学中央図書館視聴覚ホール
    • 年月日
      20130126-20130126
  • [学会発表] カンパチミオグロビンのメト化測定方法の検討2012

    • 著者名/発表者名
      井ノ原康太
    • 学会等名
      平成24年度日本水産学会秋季大会
    • 発表場所
      独立行政法人水産大学校
    • 年月日
      20120914-20120917
  • [学会発表] 魚類筋小胞体の生化学的特性及び添加物によるCa-ATPaseの変性抑制2012

    • 著者名/発表者名
      竹田侑里
    • 学会等名
      平成24年度日本水産学会秋季大会
    • 発表場所
      独立行政法人水産大学校
    • 年月日
      20120914-20120917

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公開日: 2014-07-24  

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