研究課題
α-ガラクトシド結合性レクチンが得られている棘皮動物を材料にレクチンの単離を行った。その結果、モデル動物で有柄亜門ウミユリ綱に属するウミシダから、強い赤血球凝集活性が得られ、精製を進めると、アシアロフェツイン糖鎖に結合する分子量14kDaのレクチンを得た。その糖鎖結合プロファイルをフロンタルアフィニティークロマトグラフィー(FACT)で解析すると、2型N-アセチルラクトサミンに特異的な認識を持ついことが新たに判明した。同レクチンのN-末端アミノ酸配列40残基をプロテインシークェンサーで解析し、全く新規な一次構造を見出した。さらに抗体作製を行った。これら成果をComp.Biochem.Physiol誌に発表した。比較研究のため、軟体動物腹足綱スガイからも同種のレクチンの単離を行い、23kDaの単一ポリペプチド鎖からなるレクチンを精製した。FACT解析の結果、分岐型複合型糖タンパク質糖鎖および血液型A型糖鎖に強い結合の有ることが判明した。さらに部分一次構造を決定し、分子内に4回以上の類似した新規な配列の存在が判明した。これらの成果をComp.Biochem.Physiol誌に発表した。
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