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2012 年度 実績報告書

サンゴと褐虫藻の共生成立に関わる分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22580228
研究機関北里大学

研究代表者

神保 充  北里大学, 水産学部, 准教授 (10291650)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード共生 / サンゴ / 褐虫藻 / レクチン
研究概要

昨年までの研究により,ActLが褐虫藻の取込みに関わること,ActLの分布は刺胞内に分布することがわかった。刺胞内容物は体外に放出されることから,ActLも褐虫藻の誘引に関与している可能性がある。このレクチンは,褐虫藻の誘引していると示唆された。この誘引活性はActL結合糖で阻害されること,粗抽出液の活性は25 mM N-アセチルグルコサミンによりほとんど阻害された.また,GlcNAcアフィニティ精製の吸着画分に誘引活性がみられる一方,非吸着画分にはみられないことから,ActLが粗抽出液の誘引活性の大部分を占めていると示唆される。
SLL-2 はシゲミカタトサカより見いだされたレクチンで,共生する褐虫藻の周辺に存在すること,形態を変化させることから,サンゴによる褐虫藻の共生維持に関与すると示唆される。このレクチンと同様にフォルスマン抗原に糖結合性を示すレクチンは,褐虫藻に対し,形態変化を引き起こした。その一方,フォルスマン抗原抗体では,増殖阻害を引き起こした。SLL-2 は褐虫藻株により増殖が遅くなることがある。したがって,SLL-2 の結合力または結合量により褐虫藻の生理機能を調節して,サンゴの共生にうまく適応するように調節していると示唆される。
SLL-2に相同な遺伝子がミドリイシ類からも見いだされつつある。ウスエダミドリイシを用いて,褐虫藻の取込みを検討したところ,SLL-2 抗体およびSLL-2 が結合する糖によっても褐虫藻の取込みが阻害された.さらに,SLL-2 の組織分布を検討したところ,SLL-2 抗体陽性分子は褐虫藻の周辺や刺胞に存在することがわかった。この結果は,SLL-2 類似タンパク質がサンゴの共生に広く関与することを推測させる.

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Possible involvement of glycolipids in lectin-mediated cellular transformation of symbiotic microalgae in corals2013

    • 著者名/発表者名
      Jimbo, M., Suda, Y., Koike, K., Nakamura-Tsuruta, S., Kominami, J., Kamei, M., Hirabayashi, J., Sakai, R., and Kamiya, H
    • 雑誌名

      J Exp Mar Biol Ecol

      巻: 439

    • DOI

      DOI:129-135.10.1016/j.jembe.2012.10.022

  • [雑誌論文] Synthesis and biological evaluation of the forssman antigen pentasaccharide and derivatives by a one-pot glycosylation procedure.2013

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Tanaka, Ryota Takeuchi, Mitsuru Jimbo, Nami Kuniya, and Takashi Takahashi
    • 雑誌名

      Chemistry

      巻: 19 ページ: 3177-3187

    • DOI

      10.1002/chem.201203865

    • 査読あり
  • [学会発表] Acropora tenuis のSLL-2 様タンパク質の精製

    • 著者名/発表者名
      國谷奈美,神保充,大島泰克,渡部終五
    • 学会等名
      日本水産学会
    • 発表場所
      東京海洋大学
  • [学会発表] サンゴレクチンSLL-2 の自己会合

    • 著者名/発表者名
      神保充,武内良太,田中浩士,高橋孝志,村本光二,渡部終五
    • 学会等名
      日本水産学会
    • 発表場所
      東京海洋大学
  • [学会発表] ウスエダミドリイシレクチン ActL が褐虫藻に与える影響

    • 著者名/発表者名
      竹内亮太,吉武美乃里,谷本典加,神保 充,安元剛,渡部終五
    • 学会等名
      日本水産学会
    • 発表場所
      東京海洋大学
  • [学会発表] 褐虫藻表面に存在するサンゴレクチンリガンドの探索

    • 著者名/発表者名
      神保充,國谷奈美,竹内良太,田中浩士,高橋孝志,小池一彦,酒井隆一,神谷久男
    • 学会等名
      日本水産学会
    • 発表場所
      水産大学校
  • [学会発表] SLL‐2様タンパク質がサンゴの褐虫藻取り込みに関与する

    • 著者名/発表者名
      國谷奈美,武内良太,田中浩士,高橋孝志,神保充
    • 学会等名
      日本水産学会
    • 発表場所
      水産大学校
  • [学会発表] サンゴレクチン結合性フォルスマン抗原5糖類縁体の迅速合成とその機能評価

    • 著者名/発表者名
      田中浩士,武内良太,神保充,高橋孝志
    • 学会等名
      日本糖質学会
    • 発表場所
      鹿児島市民文化ホール

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公開日: 2014-07-24  

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