研究課題/領域番号 |
22580231
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
神田 健策 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (10113705)
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研究分担者 |
荒川 修 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (70184265)
黄 孝春 弘前大学, 人文学部, 教授 (10234684)
CARPENTER Victor 弘前大学, 人文学部, 教授 (80142909)
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キーワード | 知的財産 / りんご / クラブシステム / ピンクレディ / 専用利用権 / マーケティング / 農産物市場 / 農協 |
研究概要 |
従来の農産物の生産販売システムでは、知財に関する権利意識が希薄だったため参入自由が一般的とされ、有望な品種でも生産拡大による供給増加に伴い、価格の低下や農家の経営難を生じさせていると言える。それに対し、この研究は内外における会員制の事例研究を通じて会員制の特徴を明らかにすると同時に、今後のわが国における農業振興にいかに寄与できるか、その応用可能性について調査研究することを目的としている。 今日、日本を含む先進諸国において知的財産権(育成者権と商標権)を生かした会員制(ClubSystem、クラブシステム)を取る新しい取組が活発化しつつある。そこで今年度は、品種栽培許諾とともに商標使用ライセンス契約を通じて農産物の生産販売を行っている海外の主要なりんご生産地の調査を行った。 2011年3月オーストリア/ニュージーランド(調査者:黄・カーペンター) 2011年9月中国く遼寧省・新彊ウイグル自治区〉(調査者:黄・カーペンター) 2011年11月米国くワシントン州〉(調査者:荒川・カーペンター) また、わが国の農産物輸出において「クラブ制」をとる「安代りんどう」(岩手県安代市)の農家会員調査を行った。これはりんごの事例ではないが、わが国においては数少ない「クラブ制」を導入している取り組みであり、りんごのクラブ制を考える上で参考になった。 さらに2011年10月に弘前大学において国際りんごシンポジウムを開催し、オーストラリア、アメリカ、中国から研究者を招待し、りんごのクラブ制に関する報告を行ってもらい、クラブ制の長所と短所を明らかにした。このシンポは地域の農業関係者に公開し、200名弱の参加者があり、クラブ制を理解する上で役立つ取り組みと評価された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海外調査及び国内調査も順調に実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
海外調査では、ニュージーランド、,オーストラリア、中国、米国の実態を調査することができた。今年度は可能であればヨーロッパ調査を実施したい。
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