研究課題/領域番号 |
22580249
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
小林 一 鳥取大学, 農学部, 教授 (40225529)
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研究分担者 |
松村 一善 鳥取大学, 農学部, 准教授 (80283977)
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キーワード | GIS / 経営情報システム / 農業経営 / 一筆圃場管理システム / 農業簿記会計システム |
研究概要 |
本研究では、土地利用型農業の大規模経営を対象にして、経営管理機能を強化して経営発展を推進することができるよう、GIS(地理情報システム)ソフトウェア並びにGISと連結する経営情報システムを開発し、その利用実績に基づきながらGISの組み込みによる経営情報システムの高度化について、実証的に考究することを目的としている。そのために、平成23年度には次のような研究計画に沿って3つの課題を柱とした取組みを行なった。 1.GISを利用する先進的農業経営に対する事例調査 2.GISによるソフトウェア及びGISを組み込んだ経営情報システムの開発 3.現地実証試験による普及定着条件の解明 「1.GISを利用する先進的農業経営に対する事例調査」では、鳥取県及び秋田県の大規模水田作経営を対象にして先進事例調査を実施し、GISの開発課題について分析した。 「2.GISによるソフトウェア及びGISを組み込んだ経営情報システムの開発」では、研究代表者等の開発による「一筆圃場管理システム」に対し、OpenGL及びMap-Objectによる地図データベースエンジンを搭載し、作図機能強化について比較検討を行ない、後者の優位性を実証した。併せて、スマートフォン等のモバイル端末を利用した圃場でのネットワーク型利用実験を実施した。また、本研究では「一筆圃場管理システム」の中国農業への適応についても考察すこととしており、その基礎段階として黒竜江省の農企業を対象にして財務管理を中心とした農業経営情報システムの利用実態について調査研究を実施した。 「3.現地実証試験による普及定着条件の解明」では、開発作業を進めた「一筆圃場管理システム」について、鳥取県、兵庫県、秋田県の水田作経営の協力を得て現地実証試験を実施し、ソフトウェアの適応性と開発方向について検討した。また、鳥取大学公開講座において当該システムの利用研修を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ソフトウェア「一筆圃場管理システム」を中心とした経営情報システムの開発は、当初計画に沿って順調に進展しており、開発システムを適用して農業経営管理の高度化を図るための調査研究も、大規模水田作経営等を対象にして順調に進んでいる。ただし、当該システム開発研究の農業経営管理論の分野における位置づけ、生産現場への普及等について考察を深める課題が残されている。こうした進捗状況に基づき、本研究が「おおむね順調に進展している」と判断する。
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今後の研究の推進方策 |
本研究にとって平成24年度が3年目の最終年となる。研究は当初計画に沿っておおむね順調に進展してきており、研究推進上の大きな支障も存在しないため、予定通り次のような内容で最終年度の研究に取組む。 1.GISを利用する先進的農業経営に対する事例調査 先進的農業経営の事例における経営情報システム利用の到達段階と今後のシステム開発の課題を整理する。 2.GISによるソフトウェア及びGISを組み込んだ経営情報システムの開発 現地実証試験等を通じて摘出されてきている開発課題に基づき、「一筆圃場管理システム」の圃場レベルでのネットワーク型利用のための機能開発を中心にしながら、経営情報システム高度化のための開発研究を進める。 3.現地実証試験による普及定着条件の解明 大規模水田作経営の協力を得て現地実証試験を継続するとともに、GIS利用を農業経営に定着させるうえで課題となる、電子圃場図の整備と利用提供、経営内の利用組織体制、情報人材育成等を中心に普及定着条件を解明する。また、鳥取大学公開講座等において開発した情報システムの利用者研修を実施する。
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