本年度は農業分野、食品・外食企業分野、消費者各々に内在するミスマッチの実態および連携組織内での問題の解明をおこなった。はずはじめに、農業分野においては農業経営の方向性と原料供給の方向性に関するミスマッチが想定される。この場合、農業分野全体の上記ミスマッチの実態把握については農協、企業的農業法人等への大量アンケート調査を実施し、定量的分析をおこなった。さらにすでに加工・外食企業と連携を組織している農協、企業的農業法人等に対して上記アンケートで明らかになった問題について定性的分析により解明の方向を明らかにした。次に、食品・外食企業において想定されるミスマッチの実態については企業の経営方針と国産原料使用の方向とのミスマッチの実態が想定される。また、生産コストと適正販売価格のミスマッチの実態についても検討をおこなう必要がある。この場合も上記ミスマッチの実態把握について食品・外食企業への大量アンケート調査をもとに定量的分析を用いて検討を進めた。さらに、消費者に想定されるミスマッチには潜在ニーズと支払可能額のミスマッチ等が想定される。これらの実態についても消費者への大量アンケート調査による定量分析をもとにその実態把握をおこなった。また、解明方向の検討にあたっては、国産原料を使った食料加工品を多く取り扱う生協、消費者グループ、量販店等への定性的分析をもとにその解明を試みる。上記3分野のアンケート調査に基づく定量的分析はデータの収集整理・分析においてSPSS統計パッケージ等を用いて分析をおこなった。また、原料供給を担う農業分野や、加工・外食分野等ついては、上記アンケート結果の中から比較的優良と思われる事例を取り上げ定性的調査を実施し、連携組織内での各分野の抱える問題の解明をおこなった。
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