平成24年度は、前年度にまとめた研究成果『農商工間の共創的連携とナレッジマネジメント』をもとに、これまでの分析により明らかになった点、不明な部分を整理し、補足調査を実施するとともに、最終的にナレッジマネジメントを活用した農商工連携の共創的関係構築の条件を明らかにするとともにその理論化を試みた。前年度に実施した優良事例への定性調査は、その分析視点が過去の進化プロセスに遡りその実態を解明する作業であり多くの困難をともなった。企業の核心的部分にも関わる事例調査でもあり、また、関連する連携組織すべてへの調査は、多くの事例に対して再調査および補足調査が必要であった。平成24年度はそれらの補足調査に多くの時間を割くとともに、最終的にそれら事例の包括的整理を実施し理論化を進めた。それらの成果を踏まえ、特に水田農業における農商工連携に大きな課題があることがあきらかになった。それらは今後の課題として引き続き科研による研究を継続の予定である。
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