研究課題/領域番号 |
22580255
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
北川 太一 福井県立大学, 経済学部, 教授 (60224953)
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研究分担者 |
柴垣 裕司 静岡大学, 農学部, 准教授 (40260583)
板橋 衛 愛媛大学, 農学部, 准教授 (90289645)
小山 良太 福島大学, 経済経営学類, 准教授 (60400587)
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キーワード | 農業協同組合 / 地域農業 / 地域社会 / 組合員組織 / 事業方式 |
研究概要 |
本研究は、組合員が事業・活動や組織運営の主人公となり、地域社会と共存共栄していけるような農協の存立可能性を展望し、その基礎となる「協同理論」を再構築するための理論的および実証的研究として位置づけられるものである。 本年度(平成22年度)は、(1)共益団体としての農協が地域における公益的な領域にどこまで踏み込めるか、(2)縦割り化が進む農協の構造に対する「横糸」を通すためのしくみづくりの可能性、(3)地域における多様な主体形成と農協との関係構築のあり方、という三つの視角を設定し、これらからみた農協の組織運営、組合員組織、事業方式のあり方について、研究メンバーによる既存研究のサーベイと問題提起に関する研究会を開催し、検討を進めた。また、JA愛媛たいきにおいて事例調査を行った。 その結果、(1)伝統的な協同組合理論が主張してきた組合員が有する「三位一体的性格」(出資、利用、運営の一体性)や非営利・非公益性など、現代的に再検討・再定義すべき点があること、(2)これからの農協の将来像として「地域協同組合化」を想定できるが、その具体的なイメージ、実現条件を明らかにすること、(3)集落営農の進展や組合員組織の変貌のなかで、産地形成や営農指導事業に関する現代的な位置づけを明らかにすること、(4)NPO法人などの非営利協同セクターの台頭の中で、新たな事業領域も念頭に置いた非営利協同セクター間での連携理論を構築する必要があること、などが指摘できた。
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