研究課題/領域番号 |
22580256
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
富岡 昌雄 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (20074081)
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研究分担者 |
増田 清敬 滋賀県立大学, 環境科学部, 助教 (20512768)
小谷 廣通 滋賀県立大学, 環境科学部, 准教授 (70105055)
増田 佳昭 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (80173756)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 水稲作 / 温室効果ガス / メタン / 減農薬減化学肥料栽培 / 常時湛水田 / 炭素貯留 / 農業環境政策 |
研究概要 |
本研究は水質保全など地域環境問題への対応を主な目標として発展してきた農業環境政策に地球温暖化防止への貢献を組み込むための方向性と政策手法を、農業環境政策の先進県の一つである滋賀県の実態をふまえて明らかにしようとするものである。本年度の研究成果は以下の3点である。 第1。環境こだわり農業における化学合成農薬および化学肥料の5割低減が水稲栽培の温室効果ガス排出に及ぼす影響を明らかにした。分析の結果、化学肥料の5割低減に伴う堆肥投入は水田からのメタン排出量の大幅な増加を引き起こした。したがって、中干し期間延長などの水管理方法によるメタン排出抑制対策の必須化が、環境こだわり農業による水稲栽培の地球温暖化防止効果確保のために重要と示唆された。 第2。冬季湛水田からのメタン放出量をチャンバー法を用いて測定した。この結果を用い2011年11月から2012年5月の移植前までのメタン放出量を推計した結果、約8g/m2となった。この値は、慣行水管理水田ではこの時期ほとんどメタンの放出はないこと、また、中干しを1回行う慣行水管理栽培田からの放出量は100日間で約80g/m2であることから判断して、無視できるほど小さくはないことがわかった。次に、常時湛水栽培田からの放出量を熱収支フラックス比法を用いて測定し、慣行水管理栽培田の場合より約4割放出量が増大することがわかった。 第3。水稲作の管理方法を変えることによる温室効果ガス排出量の変化をIPCCの「国別温室効果ガス排出インベントリガイドライン」のティア1の方法で推定した。その結果、緑肥作物を作付けて鋤込むと、一定期間は炭素を土壌に貯留することによって温室効果ガスを吸収するが、土壌有機炭素が平衡状態に達するとその効果がなくなり、逆にメタンの放出が、永遠に増加することが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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