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2011 年度 実績報告書

企業の地域農業囲い込み戦略と農協・農業委員会の対応

研究課題

研究課題/領域番号 22580261
研究機関大妻女子大学

研究代表者

田代 洋一  大妻女子大学, 社会情報学部, 教授 (00092651)

キーワード企業の農業進出 / 地域農業囲い込み戦略 / 東日本大震災 / IT技術 / 野菜工場 / コンフリクト / 大区画圃場整備 / 土地利用型農業
研究概要

企業の農業進出と地域農業囲い込み戦略について、23年度は、第一に、南九州等の畑作地帯における企業進出と地域の対応、第二に、韓国における企業の地方進出と農協等の反応、第三に、東日本大震災の被災地における企業進出と地元農業者・農業組織の対応について調査研究した。
第一の点については、露地野菜・施設園芸地帯等への企業進出は、過疎化農村における担い手不足を補充するためではなく、企業の持てる技術・ノウハウと地元農業生産法人等の要求するIT技術の農業への応用や企業管理ノウハウの取得など、両者のwin winの関係に基づくことが分り、企業進出と地元対応に2類型があることを明らかに出来た。
第二の点については、韓国の場合は、人口や工業のソウル周辺への一極集中があり、企業の個別的な地方進出事例は少なく、日本と問題を異にすることを明らかにした。他方で、1村1社の愛農運動も取り組まれており、これが今後、どのような展開を図るかも注目される。
第三の点については、企業の農業進出は外食産業等の野菜工場の建設等が多く、地元の態勢にかかわりなく事業展開することからコンフリクトも生じており、その実態に迫る必要がある。他方で、沿岸部平場水田地帯では土地利用型農業を主体とするため、地元で主体的に大区画圃場整備や法人設立等に取り組む事例が多く、現状では棲み分けが成されているとことを明らかにした。しかし圃場条件が整備された場合に農外企業がどう動くかが注目される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

企業の農業進出はなお点的な事例にとどまるため、適切な事例を踏まえて調査する点では十分とは言えない。

今後の研究の推進方策

これまでの調査経験を踏まえ、地域・事例を絞って調査研究する。具体的には前年度を引き継ぎ、第一は、畑作地帯を中心に企業の農業進出と、地域での畑作における地域協業の対応・対抗関係を明らかにする。第二は、東日本大震災被災地における企業進出について、その地元との協調・コンフリクトの関係を追跡する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 新たな段階に入ったTPP問題2012

    • 著者名/発表者名
      田代洋一
    • 雑誌名

      文化連情報

      巻: 407号 ページ: 20-25

  • [雑誌論文] 攻めの農業で日本は生き残れるか?2011

    • 著者名/発表者名
      田代洋一
    • 雑誌名

      農業と経済

      巻: 77巻5号 ページ: 122-130

  • [雑誌論文] TPP・「開国」農政と農業再建の課題2011

    • 著者名/発表者名
      田代洋一
    • 雑誌名

      経済

      巻: 189号 ページ: 59-71

  • [図書] 地域農業の担い手群像2011

    • 著者名/発表者名
      田代洋一
    • 総ページ数
      341
    • 出版者
      農山漁村文化協会

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公開日: 2013-06-26  

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