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2010 年度 実績報告書

食料問題解消後の中国における穀物需給調整システムに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22580262
研究機関東京農業大学

研究代表者

菅沼 圭輔  東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (50222047)

キーワード農業経済学 / 中国 / 食料問題 / 価格支持政策 / 食糧直接補助
研究概要

本年度は、中国の食料政策、特に生産者への直接補助金給付制度と最低価格買付による価格支持制度の概要について、政策文献などを収集して整理を行った。
まず、現行の穀物需給システムが、1990年代を起点に農業構造調整が進んだことを背景に形成されてきていることを、農業政策の転換過程をトレースすることで明らかにした。
現行のシステムに関する定量的分析としては、小麦と水稲を中心に全国の省別の価格データ、作付・生産統計、生産費調査データを用いて、食糧直接補助と呼ばれる補助金給付政策が、穀物生産の収益性増大にあまり寄与しておらず、むしろ価格政策の効果が高いことが検証された。これは、中国国内の多くの研究者の結論と一致するものであった。
また、価格支持政策については、対象を小麦主産地である河南省など華北平原地域の諸省に絞って、国内の卸売価格データと政府の市場介入実績に関するデータを収集し、価格支持政策の効果と限界について明らかにした。
まず、価格支持政策は、政府の委託を受けた国有会社が主産地で集中的に介入することで、市場価格を引き上げるという方法で行われ、価格支持の効果を上げている。しかし、最低価格買付けで買い入れた小麦は、冬季の需要繁忙期に消費市場で放出され、それが小麦の価格を抑制する作用を及ぼしている。
さらにミニマムアクセス小麦の放出は、国内で成長しつつある硬質小麦産地の成長を阻害する可能性があることを明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 新しい食糧政策下における中国の硬質小麦主産地開発の課題2011

    • 著者名/発表者名
      菅沼圭輔
    • 雑誌名

      農村研究

      巻: 第112号 ページ: 12-23

    • 査読あり
  • [図書] 改革開放以後の経済制度・政策の変遷とその評価(NIHU 現代中国早稲田大学拠点 研究シリーズ4)2011

    • 著者名/発表者名
      中兼和津次編著
    • 総ページ数
      253-277
    • 出版者
      人間文化研究機構(NIHU)現代中国地域研究幹事拠点 早稲田大学現代中国研究所
  • [備考]

    • URL

      http://dbs.nodai.ac.jp/index-j.jsp

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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