本研究では、中国の穀物需給調整システムの効果と問題点について分析した。 第一に最低価格買付制度や直接補助金給付は主産地を中心に全国的な穀物生産の回復・増大の効果をもたらしたことを明らかにした。 第二に、河南省の硬質小麦産地の事例分析から、最低価格買付制度、ミニマムアクセス小麦の輸入制度及び備蓄小麦の放出制度は、産地育成に対して十分な効果を発揮していないことを明らかにした。 第三に、浙江省の兼業深化地域の稲作の事例から、「省長責任制」の下で地方財政による補助を含めた強力な穀物生産の維持体制が組まれており、比較優位の劣る産地の温存が行われていることを明らかにした。
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