研究課題/領域番号 |
22580264
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
市田 知子 明治大学, 農学部, 教授 (00356304)
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研究分担者 |
石井 圭一 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (20356322)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 共通農業政策 / 条件不利地域 / ドイツ / フランス / 地域指定基準 / 農政改革 / EU / 中山間地域 |
研究概要 |
最終年度にあたり、EU、とくにドイツとフランスの条件不利地域(LFA)政策、および日本の中山間地域直接支払を比較検討した。 ドイツでは農地総面積の5割強がLFAであり、さらにその9割が地域指定基準変更によって削減対象とされている条件不利農業地域である。とくにバイエルン州では、26万haが新たに指定される一方で、州中央部の条件不利農業地域を中心に46万haが指定解除され、差し引きでは20万haが減少するとされている。このような地域ではもともと気象や土壌など自然条件が厳しいために収量が低いことに加え、兼業機会や観光資源も乏しく、全体的に所得水準が最も低い。バイエルン州政府は、LFA補償金がなくなれば条件不利農業地域での離農がますます進み、田園景観の維持もできなくなることを案じ、新基準適用に反対し、支給額の増大を求めている。 一方、フランスの調査研究からは、第1にLFAではLFA補償金以外にも青年農業者助成などの投資助成の優遇措置が根付いていること、第2に、普通条件不利地域(=条件不利農業地域)では、収益性に劣る粗放的な草地利用の繁殖牛や羊・ヤギの生産のみを対象としてきたことにより、LFA補償金に対して国内的な批判は聞かれないこと、第3に、各国、各地域に対する裁量性の高い政策措置の場合、裁量によって培われたポリシーミックスが独自に発展しうることが明らかになった。 日本の2010年農林業センサスの結果分析からは、中山間地域の集落機能がますます弱体化し、地域資源の管理や営農面での共同、さらには生活面の相互扶助を単独の集落で対応していくことが困難になっていることがわかった。 以上を踏まえ、政策目的、地域指定基準、補償金の単価設定、農業以外の所得獲得機会の4点について比較し、日本の中山間地域直接支払の地域指定基準をより客観的なものに変更する必要があると論じた。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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