研究課題/領域番号 |
22580269
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研究機関 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
高橋 明広 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター・農業経営研究領域, 上席研究員 (20355465)
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研究分担者 |
伊庭 治彦 神戸大学, 農学部, 准教授 (70303873)
山田 伊澄 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター・農業経営研究領域, 主任研究員 (30414428)
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キーワード | 集落営農 / スモールビジネス |
研究概要 |
本年度は、1)英国におけるスモールビジネスに関する調査を実施した。調査先は、Bristol市おいて、400人の地域住民から出資を集めて地域農業の保全を図っているCommunity Firm、(2)第二次世界大戦後に移住先となった地域住民の交流の場としてもうけられたGreenmeadow Community Farm,(3)上記のコミュニティ保全とは異なり、商業ベースで活動しているKent LIfe Farm、(4)都市から農業が消えることを危惧し、住民の農業体験の場として設立されたWellgate Community Farm、(5)これらスモールビジネスを行う農場を支援しているNPO登録慈善事業単体のFederation of City Farms and Community GardensとPlunkett Foundationである。これら農場の多くは、スモールビジネスの実施を通じて、一定の利益を上げつつ、しかも、地域住民参加型(出役や寄付)により農業保全や農業を都市に残す活動を実施し、それら農場をNPOが物心両面から支援している点に特徴があることを明らかにした。2)国内の集落営農についてスモールビジネスを実施している集落営農を素材に、その効果についてアンケート調査を元に分析を行った。特に、従来の主穀作に加えて、野菜作等のスモールビジネスに取り組み、さらに、それらスモールビジネスを用いて食育等の地域社会貢献活動を実施することにより、従来の家族経営の担い手であった高齢者の組織参加意欲が向上するだけでなく、組織が地域社会に貢献しているという意識を若い世代が持つことで、それら若い世代の組織参加や組織貢献意欲が高まっていることを明らかにした。こうしたスモールビジネスの取り組みは、単に、収益向上でだけでなく、組織活動上の効果があることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
米国に加えて英国のスモールビジネスについてその特徴を分析・整理した。また、我が国の集落営農を対象に、スモールビジネスの特徴とそれが収益の向上だけでなく、組織参加に及ぼす効果等を明らかにしており、研究はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、集落営農におけるスモールビジネスの類型化を行うと共に、それらスモールビジネスの経済的・社会的効果を検討する。また、必要に応じて、海外調査を実施する。
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