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2012 年度 実績報告書

気候変動下における水田依存性トンボ類の保全に向けた灌漑システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22580278
研究機関宮城大学

研究代表者

神宮字 寛  宮城大学, 食産業学部, 准教授 (10299779)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2014-03-31
キーワードアキアカネ / ライシメータ / 中干し / 水管理 / 生存率 / 羽化率 / 栽培管理
研究概要

〔水田灌漑時期の変化に関する聞き取り調査〕
地域によってどの程度、湛水期間と中干し時期が異なるのかを調査するために、宮城県内の各地域の水田を現地踏査し、湛水期間と中干し時期を確認した。具体的には、宮城県稲作管理指導指針(基本編)を基に一般的な栽培管理スケジュールに照らして地域ごとの水管理状況を把握した。また、全国的な中干し管理の動向を把握するためにJAへのヒアリング調査を実施した。
〔ライシメータを使用した中干しの影響評価〕
平成23年に採取したアキアカネ卵を恒温器(H22年備品購入、低温インキュベータ)で保管した。5月以降にライシメータのマイクロコズム水田を用いて、中干し開始時期を3段階に分けた試験区画を作成した。具体的には、中干し開始時期を①6月下旬、②7月上旬、③7月中旬、④常時湛水の4条件を設定した。採取した卵を各区画に100個放流し、1週間ごとに幼虫個体数を調査した。また、羽化時期には、羽化殻数を毎日調査した。その結果、①6月下旬の中干し開始が最も早い条件でも、幼虫が終齢に達している場合は、羽化が正常に行われることが明らかとなった。したがって、早場米やより早い中干し条件が、幼虫の生存率に影響を及ぼすと考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

計画的に実験を行い、実験圃場、ライシメータおよび農家圃場での中干しの影響を把握している。アキアカネ幼虫の発育ゼロ点と有効積算温度を用いて、中干しリスクを緩和する中干し時期マップの作製にまで研究を拡張している。

今後の研究の推進方策

アキアカネに加えて、ナツアカネ、ノシメトンボ幼虫の発育ゼロ点、有効積算温度を実験的に明らかにする。水田を代表するアカネ属3種の中干しによる死亡リスクを緩和するための中干しマップの作製にまで発展させる。そのための飼育実験を最終年度に実施する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 赤とんぼを増やすコメ作りが始まった2012

    • 著者名/発表者名
      神宮字寛
    • 雑誌名

      現代農業

      巻: 6月号 ページ: 238-241

  • [雑誌論文] アカトンボ減少原因の究明―浸透移行性殺虫剤の影響―2012

    • 著者名/発表者名
      神宮字寛
    • 雑誌名

      昆虫と自然

      巻: 7巻 ページ: 16-19

  • [学会発表] Recent declines in rice field-dwelling Sympetrum spp.: verification of insecticide application2012

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Jinguji
    • 学会等名
      国際トンボ学会
    • 発表場所
      神奈川県立博物館
    • 年月日
      20120729-20120803
    • 招待講演

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公開日: 2014-07-24  

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