研究課題/領域番号 |
22580280
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
川嶋 雅章 明治大学, 理工学部, 准教授 (80130805)
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研究分担者 |
小島 信彦 明治大学, 農学部, 講師 (10277725)
岩田 俊二 三重短期大学, 生活科学科, 教授 (40321046)
黒石 いずみ 青山学院大学, 総合文化政策部, 教授 (70341881)
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キーワード | 農村計画 / 農業土木 / 地域計画 / 地域づくり |
研究概要 |
本研究の目的は、日本の近・現代における地方都市における農村開発計画の代表事例として、(1)青森県十和田市の稲生川用水と三本木原の総合開発、(2)福島県郡山市の安積疎水と開拓建設の総合開発、(3)愛知県常滑市の愛知用水と総合的な農村都市開発の3事例を取り上げ、計画・事業の効果としての「計画力」概念について明らかにするものである。 平成22年度(郡山市は繰越)は、主に現地調査を行い、各事業計画と計画内容、事業実施経緯、事業実施後の地域状況に関する資料を収集し、計画の背景や事業が地域に及ぼした影響効果を分析・把握することに努めた。研究成果としては、(1)十和田地区では、文書資料の検証等を終え、歴史資料も対象が限定的に記述されている場合もあり、開拓の時期と場所に応じて古くから居住する農民に関する資料等、より多角的な資料が必要である事が認識されると共にその研究が、十和田地区の開発計画の特色を明らかにする上で重要である事が予見された。(2)郡山地区では、地元主体の開拓から国営開発に発展し、地域の総合的な開発に展開したこと、耕地整理事業が都市計画の基礎になっていること、計画や事業に地元人材や資本が多く関わって発展したことが明らかになった。(3)常滑地区では、愛知用水からの利水が名古屋圏の地域開発の要因であることを把握した。また、愛知用水通水を契機にした常滑市の農村総合整備事業は、農村と都市の一体的整備構想の基に進められ、その計画理念は地域総合開発を基本としている愛知用水整備事業計画と通底していることが明らかとなった。(4)3地区ともに大規模な流域変更を行っている共通点があるが、地元水利との関わり方には大きな違いのあることが明らかになった。このことは地域の水利、とくに農業用水のうち生産のための用水以外の水利用に大きく影響しているものと考えられる。(5)なお、事業地域の多面化、総合化の地域発展過程の分析までは至らなかった。
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