研究概要 |
当該年度は予め青果物水分の一部を脱水した後、凍結貯蔵を行うデハイドロフリージング(以下DF)において、脱水、凍結、解凍、復水におけるそれぞれの最適操作条件の検討と把握、特に脱水時において水分分布が均一になる脱水法(例えばマイクロ波乾燥と減圧乾燥法の組合せ)を開発・提案し、その後の凍結、解凍、復水後に生鮮物より近い鮮度保持が可能な方法、条件の把握を目的として行った。[実施]:脱水;試料質量の5~30%減まで脱水。減圧乾燥条件(1500Pa,20℃)、試料内部の水分分布を均一にするためマイクロ波と減圧の交互乾燥による脱水試験。凍結;超低温冷凍庫(TME-230G)内で-40℃におけるプライン凍結法による凍結。解凍:5℃の冷水,30,40℃の温水および常温空気における解凍。直ちに0℃の冷水に浸漬。復水:5,30,40℃での1~10分間の浸漬。浸漬後、直ちに0℃の冷水に浸漬。品質評価:電気的性質(細胞膜の健全性評価);,電気インピーダンスをLCRメータにより測定し、Cole-Coleプロットをとる。細胞観察;凍結状態における細胞構造の蛍光顕微鏡による観察。色彩変化は色彩色差計、果肉硬度およびレオロジ特性はレオメータで計測。化学的性質;ビタミンC(還元型アスコルブン酸)等の成分変化を測定。これより,併用脱水のDF適用への有効性を示すことができ、学会誌へ投稿し、24年3月に掲載された。さらに、関連のブランチングに関して、学会誌へ22年ll月中旬に投稿し,23年7月掲載された。また、これに先立つ同ブランチングに関して、22年5月に学会誌へ掲載され、23年度日本食品科学工学会誌論文賞を受賞した。また、マイクロ波乾燥によって得られた乾燥野菜の吸水特性についての知見を23年11月に、リンゴ果実の乾燥では、乾燥に伴う表面の硬化および褐変についての防止策を同じく23年11月に学会誌へ投稿済みで、現在審査中である。
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