研究課題/領域番号 |
22580290
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
松田 克礼 近畿大学, 農学部, 教授 (30268453)
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キーワード | プラズマフィールド / 静電場スクリーン / 害虫防除システム |
研究概要 |
本研究の目的は、プラズマフィールドを利用した害虫忌避スクリーンを開発し、害虫の侵入が問題となる作物貯蔵庫に適用することである。昨年度までの研究において、概ね、プラズマリペラを作成するための材質とその構造が明らかになった。そこで本年度は、プラズマリペラの原理を利用して、大型の昆虫忌避スクリーンを作製した。このスクリーンを設置する場所は、作物貯蔵庫や栽培温室の横窓、または天窓である。これらの窓に設置した場合、スクリーンは、風や雨などを直接受けることになる。まず、雨に対しては、シリコン樹脂を用いて防水加工を施し、耐久性を確保した。次に、風に対しては、スクリーン内部に支柱を挿入し、風速10m以上に対する強度を付与した。また、窓に設置した場合、風通しに対する影響、それに続く室内の温度上昇や湿度の状況などが問題となる。そこで、室内温度や湿度の上昇が想定される5月から10月の間、スクリーンを設置していない対照区と室内環境を比較した。なお、スクリーンを設置していない対照区には、慣用的に用いられる防虫ネットを設置した。その結果、対照区と比較して室内環境は大きく改善され、夏場においても良好な状態が維持された。また、栽培施設に害虫の侵入はまったく観察されず、殺虫剤を使用せず、無農薬で植物を栽培することができた。以上の実験結果は、Journal of Agricul tural Scienceに投稿し、既に掲載可の評価を受けている。また、作物貯蔵庫に対する害虫侵入防除については、Crop Protectionに投稿し、既に公表されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
害虫を忌避させる防虫スクリーンとしてプラズマリペラを農作物貯蔵施設だけでなく、栽培温室へも本装置を適用し、害虫侵入遮蔽効果を検討した。その結果、どちらの施設に対しても有効性が確認された。また、プラズマリペラには、害虫を忌避させる能力だけでなく、侵入を試みる害虫を静電気力で捕捉できることが明らかとなった。現在、捕捉のメカニズムについて検討を加えている。
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今後の研究の推進方策 |
プラズマリペラが生成するプラズマ空間には、害虫を捕捉する能力がある。今後は、害虫を捕捉するメカニズムを明らかにし、空中を浮遊するカビの胞子、細菌、ウイルスや花粉などに対する捕捉効果を調査する。
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