研究概要 |
森林はCO_2の吸収源として知られているが、近年、陸上植物からメタン(CH_4)が発生されており、植物体がCH_4,の発生源であるという実験結果がNature誌に論文発表され、大きな反響を呼んだ(F. Keppler, et al.、2006)。しかし、植物体からのメタン放出に関する報告は実験による結果がほとんどであり、屋外における植物体を対象にした分析はまだ乏しい。一方、2009年1月、日本が打ち上げた温室効果ガス観測技術衛星GOSAT (Greenhouse Gases Observing Satellite)と欧州宇宙機関により2002年に打ち上げられたEnvironmental Satellite (ENVISAT)のSCIAMACHYを活用することによって、従来の限られた実験結果や屋外調査の制約を克服できる。さらに、World Data Centre for Greenhouse Gases (WDCGG)による地上観測データが整備され、活用できる。そこで本研究では、広範囲のリモートセンシング計測及びWDCGGデータを活用し、広範囲で異なる植生域におけるCH_4発生量を明らかにすることを試みる。初年度の当該年度においては、GOSATとSCIAMACHYデータを全球レベルで解析するとともに、地上データのWDCGGデータを用い、Greenhouse gases Emission Presumption Method (GEP Method)を開発・適用し、日本の綾里の森林と与那国島の畑といった屋外の異なる土地被覆・土地利用の植生域からCH_4,発生量を推定した。
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