本年度は、XIV型コラーゲンの遺伝子発現制御領域並びに転写因子を同定するために、既にマウス肝由来ゲノムより約14キロベースの第一エクソンを含むXIV型コラーゲン遺伝子を元に、LA-Taq(TAKARA)を用いたPCRを用いて様々な領域のDNA断片を増幅した後、ホタル・ルシフェラーゼをレポーター遺伝子に持つプラスミドベクター(Promega)にサブクローニシグした。続いて、様々な部分のXIV型コラーゲン遺伝子断片を含んだホタル・ルシフェラーゼコンストラクト1μgとコントロールベクターであるウミシイタケルシフェラーゼベクター(pRL-tk)(Promega)100ngを6μ1のFugene HDとともに初代線維芽細胞に対しトランスフェクションを行い、一晩培養を行った。その後Passive Lysis Bufferにより細胞を可溶化した後、その遠心上清についてDual luciferase assay systemを用いてルミノメーターにより各ルシフェラーゼ活性を測定した。その結果、転写開始点の上流700塩基以内に転写活性を上昇させる領域が存在し、700塩基よりさらに上流域には転写活性を抑制する領域が含まれることが示唆された。さらに、転写開始点の上流350塩基内にある転写因子結合部位、C/EBP、NFkB、AP-1、STRE、p300、Sp1-1、Sp1-2、TATAそれぞれにおいて点突然変異を導入したところ、STRE結合領域に変異を加えた際に転写活性が消失した頃から、この領域が当該コラーゲンの転写制御に重要な領域であることが示された。
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