研究課題
基盤研究(C)
機能性を有し日本人に受け入れられる発酵食肉製品はあまり開発されていない。そこで、欧州の発酵ソーセージ類から乳酸菌の選別を試み、亜硝酸および食塩耐性を有する菌株を見出した。さらに、それら菌株の種を同定し、高い食肉タンパク質分解能をもつ乳酸菌を用いて高機能発酵食肉製品の製造を試みた。その結果、食塩・亜硝酸耐性が見られた全60菌株中、発酵食肉製造に有望なLactobacillus(L.)sakei、L.curvatus種は、L.sakeiが2株(No.3、No.23)、L.curvatusが1株(No.28)存在した。これら3株のうち、L.sakeiNo.23とL.curvatusNo.28に高い筋肉タンパク質ミオシンBの分解性が見られた。この2株をそれぞれ用いて製造した製品は、コントロールに比べ、乳酸菌の増殖やpH低下が見られ、大腸菌群などの汚染も抑制された。これらの製品は、筋原線維タンパク質の分解に伴う機能性ペプチドや遊離アミノ酸の増加、高い抗酸化活性と血圧上昇抑制作用も認められ、官能評価でも高い評価をうけた。
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