哺乳動物の黄体は、妊娠の成立と維持に必須の分泌期間であり、妊娠が成立しなかった場合には退行し次の発情発期が回帰する。プロスタグランジン F2α (PGF) によって誘導される黄体退行は、プロジェステロン (P4) の減少を主徴とする機能的退行と黄体内細胞死による構造的退行の二つの局面からなる。こうした PGF のウシ黄体退行作用は、PGF の活性酸素( ROS) の発生を刺激する事が示唆示されているが、その作用機序について明らかにされていない。本研究では、PGF による 黄体退行メカニズムを明らかにし、PGF のウシ黄体由来血管内皮細胞およびステロイド合成細胞における ROS 発生刺激作用について明らかとなった。PGF は ROS との相互作用を介して、機能的退行(2時間)時の初期増加および構造退行(24時間)時の減少という二相性的に スーパーオキシドジスムターゼ (SOD) を調節することが示された。
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