研究課題
鳥類のプロラクチン(PRL)遺伝子発現調節機構はほ乳類における機構を参考にして提案されてきたが、国内外の現在までの研究結果に、提案された調節機構では全く説明できない点が存在する。鳥類特有のPRL遺伝子発現に関する調節機構の解明は、PRLにより誘起される就巣行動の人為的なオンオフ制御に結びつけ、家禽においては産卵能力の向上を、野鳥においては種の保存に役立てる事ができる。本研究は鳥類における転写因子PREBのPRL遺伝子との関連性を検討する事を目的とした。昨年度得られたPREBcDNAの配列をもとに、発生胚における下垂体を含めた複数の組織での発現をRT-PCRにより検討した。さらに、PREB遺伝子を二つにわけ、全体の増幅をPCRにより行い配列を決定し、変異が存在するかを検討した。その結果、ニワトリPREBはユビキタスに様々な組織で発現するものの、組織間における発現量には大きな差がある事が判明した。しかしながら下垂体における発現量は12日胚よりふ化後まで変化しない事が判明した。また、PREB遺伝子内にはエクソン、イントロンともに多くの変異が存在している事が判明した。これらの結果より、PREBは発生胚後期におけるPRL遺伝子の発現量上昇にはPit-1ほどは関与しておらず、むしろPRL遺伝子の初期活性化に関与している可能性が示された。また、多くの変異が存在している事から品種や系統により就巣行動発現頻度に差がある事から、基本的なレベルのPRL発現にPREBの変異は影響を与える可能性が示唆された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Toxicologic Pathology
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