研究課題
ニワトリVasaホモログ(Cvh)遺伝子のプロモータ領域の検索を目的として、ニワトリ血球より抽出したDNAを用い、Cvh遺伝子5'末端を基点に上流に向かってゲノムウォーキング法を行った。その結果、得られたCvhの上流2030bpの配列をCvhプロモータとして、緑色蛍光タンパク質遺伝子(GFP遺伝子またはVenus遺伝子)を含むベクタープラスミドの上流に連結し、遺伝子導入用ベクター(CVHp-GFP)を作製した。また、CVHp-GFPより転写されるmRNAの安定化を目的として、PCR法によりニワトリ精巣由来cDNAよりCvh遺伝子の3'非翻訳領域(3'-UTR)を増幅し、CVHp-GFPに連結したベクタープラスミド(CVHp-GFP-3'UTR)を作製した。これらのベクターの有効性を確認することを目的として、リポフェクション法を用いて、ベクタープラスミドを孵卵2.5日胚の血管中へ注入し、始原生殖細胞への遺伝子導入を試みた。孵卵5.5-6.0日胚の生殖巣を観察した結果、CVHp-GFPを導入した胚では5個全てにおいて、また、CVHp-GFP-3'UTRについては33個の胚中24個(72.7%)の胚において生殖巣およびその周辺において緑色蛍光が観察された。異所性の発現としては、CVHp-GFP-3'UTRを導入した3個の胚において心臓の細胞に緑色蛍光を示す細胞が観察された。これら2種類のベクタープラスミドが生殖巣の細胞において緑色蛍光を発現することが確認されたため、効率的な始原生殖細胞への遺伝子導入を行うことを目的に、レンチウイルスベクターを作製した。
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http://nilgs.naro.affrc.go.jp/press/2010/1210/idenshigenhozon_index.html