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2010 年度 実績報告書

ハエ類による機械的な病原体伝播メカニズムの分子遺伝学的解明

研究課題

研究課題/領域番号 22580328
研究機関帯広畜産大学

研究代表者

岡戸 清  帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 研究員 (30570486)

研究分担者 嘉糠 洋陸  帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (50342770)
キーワードショウジョウバエ / 媒介 / 病原体 / 感染症 / 嗅覚受容体
研究概要

ハエ類による病原体の伝播は、単なる物理的現象でなく、bioenhanced transmission(媒介動物による促進的伝播)としての認識が示されている。申請者は、ハエ類による機械的伝播メカニズムを研究するために、ショウジョウバエを用いた伝播実験モデル系を構築し、ハエ類の行動や生理現象が機械的伝播にどのように関与するのかを解析した。その結果、ショウジョウバエは病原体を直接摂食し、糞を介して効率的に感染拡大を引き起こす事が示唆された。そこで味覚や匂い、摂食に関する行動・神経変異体を用いて伝播能力を評価した結果、嗅覚受容体サブユニットをコードするOr83b遺伝子の変異体ショウジョウバエでその効率が激減することを見い出した。以上のことからショウジョウバエは、細菌由来の化学物質を触覚における嗅覚により認識し、明確な細菌嗜好性を示すことが示唆された。このような細菌由来の誘引物質を同定するために、ガスクロマトグラフと質量分析装置を直結したGC-MSによる分離を試み、いくつかの揮発性成分を検出した。そしてこれらの成分が、実際にショウジョウバエを誘引することを証明した。以上の結果から申請者らは、食中毒細菌の誘因物質によりハエ類における直接摂食が誘導され、媒介が促進されている可能性を示した。ハエ類による病原体の伝播に関する遺伝学的・分子生物学的な研究は大変に独創的であり、これまであまり知られていなかった機械的伝播メカニズムの解明に大きく貢献した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Odor-based bioenhanced transmission of pathogen by Drosophila2011

    • 著者名/発表者名
      岡戸清
    • 学会等名
      52th Annual Drosophila Meeting
    • 発表場所
      San Diego(USA)
    • 年月日
      2011-03-30
  • [学会発表] ショウジョウバエは病原体を嗅覚で認識し摂食媒介する2010

    • 著者名/発表者名
      岡戸清
    • 学会等名
      第33回日本分子生物学会年会第83回日本生化学会大会合同大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド(神戸市)
    • 年月日
      2010-12-07

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公開日: 2012-07-19  

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