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2011 年度 実績報告書

消化管筋線維芽細胞プロテアーゼ活性化受容体の炎症性刺激による発現調節機構

研究課題

研究課題/領域番号 22580334
研究機関山口大学

研究代表者

佐藤 晃一  山口大学, 農学部, 教授 (90205914)

研究分担者 大浜 剛  山口大学, 農学部, 准教授 (50579018)
キーワードPAR / 炎症 / 筋線維芽細胞 / 受容体脱感作
研究概要

プロテアーゼ活性化受容体(PAR)は、トリプシンなどのプロテアーゼによって受容体自身が持つリガンド部位が露出し、受容体自身に結合して活性化する。一方、粘膜上皮細胞の分化増殖の足場になる消化管筋線維芽細胞の,線維化過程におけるPARの役割は明らかとされていない。そこで,本研究では,消化管筋線維芽細胞におけるPARの役割と発現調節機構を,常在型マクロファージとの相互反応という観点から明らかにすることを目的とした。
1)炎症性刺激によるPAR発現の時間的・空間的変化
炎症に伴い増加するprostaglandin E2は細胞内cAMP濃度が増加することで,PAR2タンパク質発現量を変化させることなく,細胞膜のPAR2発現量が減少し細胞内発現量が増加した。そこで,より直接的にPAR2の空間的変化を確かめるため,Flag-PAR2を強制発現させた細胞の作成に着手し成功した。H24年度にその細胞を利用して空間的変化について更に検討する。
2)消化管筋線維芽細胞の機能に関する研究
消化管筋線維芽細胞に対するPAR2発現とその活性化の影響はこれまで検討されていなかった。我々は,単離初代培養筋線維芽細胞標本を用いてこの点について検討し,PAR1,2,3,4が発現していること,また,PAR2刺激によりこの遊走能が活性化されることを見出した。また,筋線維芽細胞の病態生理機能解析のために,スフィンゴシンによる遊走能変化についても検討し,スフィンゴシン受容体2を介して遊走能が抑制されていることを明らかとした。
3)マクロファージのLPS受容体のトリプシンによる変化
常在型マクロファージの機能に対する,PAR2活性化薬トリプシンの役割を検討した。・トリプシンはPAR2受容体を介することなく,正PS受容体活性化経路を抑制し,それはセリンープロテアーゼ機能に由来するCD14タンパク質の分解に寄ることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究目的である,消化管筋線維芽細胞のプロテアーゼ活性化受容体の炎症性刺激による発現調節機構を解明することに向け研究を行った結果,プロスタグランジンE2が細胞内cAMPを増加させることで,空間的制御を受けていることを明らかとした。

今後の研究の推進方策

筋線維芽細胞の研究をより簡便にするために,不死化細胞の樹立を行う。また,上皮細胞との相互作用についても検討し,炎症性刺激が上皮細胞に由来すること,また筋線維芽細胞からの刺激により,上皮細胞が影響を受けていることを明らかにする。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] TrypsinはCD14の分解を介してマクロファージにおけるLPSシグナルを阻害する2011

    • 著者名/発表者名
      小松浩之
    • 学会等名
      第64回日本薬理学会西南部会
    • 発表場所
      KKR博多:福岡
    • 年月日
      2011-11-20
  • [学会発表] マウス結腸筋線維芽細胞の遊走に対するSphingosine-1-Phosphateの影響2011

    • 著者名/発表者名
      川崎秀吉
    • 学会等名
      第152回日本獣医学会学術集会
    • 発表場所
      大阪府立大学:大阪
    • 年月日
      2011-09-20

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公開日: 2013-06-26  

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