研究課題/領域番号 |
22580339
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
中嶋 秀満 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (30405360)
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研究分担者 |
桑村 充 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (20244668)
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キーワード | 疾病予防・制御 / 新規治療薬開発 / GAPDH / 脳神経疾患 / ドミナントネガティブ分子 / トランスジェニックマウス / 酸化ストレス / アミロイド |
研究概要 |
C152A-GAPDHドミナントネガティブ分子の生化学的および細胞生物学的解析およびトランスジェニックマウスの作製(担当:中嶋、桑村、大学院生1名) 本年度は、まずGAPDHドミナントネガティブ分子であるC152A-GAPDHの生化学的性状と細胞生物学的解析、特に細胞保護メカニズムの解明に注力し、またトランスジェニックマウス作製の為の準備を実施した。 C152A-GAPDHの細胞保護メカニズムとして、内在性GAPDHの酸化ストレス性アミロイド様凝集を抑制することを原子力間顕微鏡(AFM)を用いて視覚的に証明できた。また、内在性GAPDHの核移行に起因する酸化ストレス性細胞死には関与しないことを生化学的に示した。さらに、酸化ストレスでは一酸化窒素刺激特異的に細胞保護効果を発揮することを見出した。以上の結果から、C152A-GAPDHドミナントネガティブ分子は、内在性GAPDHの核移行は影響を与えずに、アミロイド様凝集を抑制することで酸化ストレス性細胞死を抑制すること、その作用は一酸化窒素特異的であることが明らかとなり、細胞保護メカニズムを明らかにした(現在、投稿準備中)。 続いて、C152A-GAPDHドミナントネガティブ分子のトランスジェニックマウス作製の為のトランスジーンの作製を行った。当初計画では、恒常的発現マウスを作製予定であったが、発生期において内在性GAPDHの作用に拮抗する懸念があった為、ドキシサイクリン誘導型マウスの作製に方針変更した。pTRE-C152A-GAPDHを作製した。現在、細胞レベルでドキシサイクリン誘導発現レベルの最適化条件を検討中である。また、トランスジェニックマウス作製に際しては、オリエンタルバイオサイエンスへの委託研究とすることとし、次年度計画についての打ち合わせを行った。
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