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2012 年度 実績報告書

ネコ伝染性腹膜炎ウイルス複製過程におけるサイクロフィリンの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 22580343
研究機関日本獣医生命科学大学

研究代表者

田中 良和  日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 講師 (50291159)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワードウイルス複製阻害薬 / ウイルス複製機構 / ネコ感染症 / ネコ伝染性腹膜炎
研究概要

ネコのウイルス感染症のうち,ネコ伝染性腹膜炎 (FIP) はワクチン開発が未だ成功しておらず,効果的な治療法も確立されていない疾患で,一度発症すると致死的な経過をたどる。このため,ウイルス複製制御因子を同定・解析し,病原性発現機構を明らかにすることが切望されている。
研究代表者は,免疫抑制剤サイクロスポリンA (CsA) がFIPウイルス(FIPV) のゲノム複製と転写を強力に阻害することを発見した。前年度において,CsA と結合する細胞内サイクロフィリン (Cyp) のうち、CypA およびCypB がFIPV の増殖を促進することを明らかにした。このため,CypB遺伝子発現のノックダウン細胞を作成し,FIPV を感染させた結果, FIPV のウイルス複製を有意に阻害することを認めた。さらにこのノックダウン細胞にCypB遺伝子を導入することでCypBの遺伝子発現を回復した細胞を作成しFIPVを感染させた結果,ウェスタンブロット法,リアルタイムPCR法,ウイルス感染価測定法のいずれにおいてもウイルス増殖効率が回復した。また、Cypが有するPPIase活性がウイルス増殖に関与するかどうかを検討するためにCypAおよびCypBの酵素活性を欠損する変異体遺伝子を作成し、これらを恒常的に発現する細胞株を作成した。これらの細胞株にFIPVを感染させたところ、CypAおよびCypBの両変異体でウイルス増殖効率が減少した。これらの結果から,Cyp蛋白質のPPIase活性がFIPVの増殖に関与していることが明らかとなった。今後,どのウイルス遺伝子領域がCypA およびCypBと関与し、ウイルス増殖を制御しているか,さらに解析が必要である。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Suppression of feline coronavirus replication in vitro by cyclosporin A.2012

    • 著者名/発表者名
      Tanaka Y
    • 雑誌名

      Veterinary Research

      巻: 30;43(1) ページ: 41

    • DOI

      doi: 10.1186/1297-9716-43-41.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Feline infectious peritonitis virus with a large deletion in the 5'-terminal region of the spike gene retains its virulence for cats.2012

    • 著者名/発表者名
      Terada Y
    • 雑誌名

      Journal of General Virology

      巻: 93(Pt 9): ページ: 1930-4

    • DOI

      doi: 10.1099/vir.0.043992-0.

    • 査読あり
  • [学会発表] Peptidylprolyl cis-trans isomerase (PPIase) active sites of cyclophilin are crucial for feline coronavirus replication2013

    • 著者名/発表者名
      Tanaka Y
    • 学会等名
      American Society for Virology
    • 発表場所
      米国、ペンシルベニア
    • 年月日
      20130720-20130724

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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