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2011 年度 実績報告書

睡眠調節における神経・免疫系の役割に関する時間生物学

研究課題

研究課題/領域番号 22580348
研究機関東京大学

研究代表者

桑原 正貴  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (30205273)

キーワード睡眠 / 自律神経 / 免疫 / 加齢 / 日内変動
研究概要

本研究では、睡眠覚醒調節機構の解明に向けて神経・免疫系が果たす役割に関してその機構を明らかにすることを目的として実験を行ってきている。本年度は、昨年度に引き続き正常なマウスを使用して脳波を実際に記録解析し睡眠への影響を検討するとともに、老齢ラットを用いて自律神経系機能の変化に関する実験にも着手した。加齢が進むにつれて覚醒時間やレム睡眠時間の減少とノンレム睡眠時間の増加、および睡眠の分断化等の生じていることが再確認され、これまでに明らかになってきた現象が間違いなく起こっているものと考えられた。このことは、加齢により睡眠覚醒調節機構に何らかの変化が生じていることを示唆するものであると考えられた。若齢マウスでは、明瞭な体温と活動量の日内変動が認められその振幅も大きいのに対して、老齢マウスにおいてはその傾向が弱くなってきておりその変化量も小さいことが明らかとなった。このように、脳波を含めた生体現象を解析することにより加齢が睡眠の質や体温・活動のリズムに影響を及ぼすことが明確に示された。一方、自律神経系機能との関連性を明らかにするために、心電図の長時間記録を行い、これまでに確立し様々な研究に応用してきた心拍変動のパワースペクトル解析を行った。パワースペクトルの高周波数成分(HF)と低周波数成分(LF)について解析し、副交感神経系機能の指標となるHFパワーと自律神経系バランスの指標であるLF/HF比の変化から、睡眠覚醒状態や体温変化に対する自律神経系機能の変化との相関性が明らかになってきた。今後、老化促進マウス等も実験に加え更に詳細な実験を行い、これらの関連性について検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでの研究により、老化に伴う睡眠の質や生体現象の変化を明らかにすることができたから。

今後の研究の推進方策

これまでに、正常な動物における特徴が明らかになったので、今後、そこに内在される機序を明らかにしていく。
さらに、LPSやサイトカインを投与し生体に揺さぶりをかけた際の反応から、神経系と免疫系の相互作用に関して詳細に解析を進めていく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Nicotine treatment reduces LPS-induced sickness responses in telemetry monitoring rats2011

    • 著者名/発表者名
      Kojima H., et al.
    • 雑誌名

      J.Neuroimmunol.

      巻: 234 ページ: 55-62

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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