• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

南九州の放牧牛における膵姪類の簡易診断法の開発と疫学調査

研究課題

研究課題/領域番号 22580351
研究機関宮崎大学

研究代表者

野中 成晃  宮崎大学, 農学部, 准教授 (50281853)

研究分担者 堀井 洋一郎  宮崎大学, 農学部, 教授 (80173623)
研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード膵蛭 / 小型膵蛭 / 形態 / DNA / 分布 / 診断 / 疫学 / PCR
研究概要

膵蛭と小形膵蛭の種の独立性を遺伝学的に評価し、形態学的な差異との関連性を解析した。東京都港区、島根県大田市、沖縄県石垣市、ブラジル、ベトナムの屠場で採取した虫体計125検体について、核ITS2とミトコンドリアCO1遺伝子のPCR、塩基配列解読を行ったところ、103検体で両領域の配列が得られた。系統樹解析では、両領域ともに2つのメインクレード(ITS2:α、β;CO1:a、b)に分かれ、69検体および33検体がα-a(遺伝子型A)およびβ-b(遺伝子型B)の組み合わせに含まれた。これらの虫体について、形態分類に利用される体長、体幅、口吸盤径/腹吸盤径比、精巣分葉、卵巣分葉の5項目について評価したところ、遺伝子型Aは48/69(69.6%)において4項目以上で膵蛭の、遺伝子型Bは7/33(21.2%)において4項目以上で小型膵蛭の特徴を示し、遺伝子型Aは膵蛭、遺伝子型Bは小形膵蛭であると考えられた。しかし、残りは形態学的に鑑別できない虫体であった。このことから、膵蛭と小形膵蛭は遺伝学的に区別できるものの、形態学的には完全な区別が困難であることがわかった。また、牛の産地を感染場所と考えると、島根県、九州内部からは膵蛭のみが、沖縄県本島・鹿児島県徳之島では小形膵蛭のみが、沖縄県八重山諸島では両種が分布すると推測され、2種の分布には地域的な偏りが存在すると考えられた。
虫卵排出牛13頭に対してプラジカンテル(25mg/kgおよび50mg/kgの1回経口投与)による駆虫試験を実施した結果、全頭で投与後7日以内に糞便内虫卵が陰転し、本法で駆虫が可能であることがわかった。
また、糞便内抗原検出法の開発を目的に、虫体粗抗原およびES抗原に対するウサギ抗体を作成し、サンドイッチELISAの各種条件設定を行った結果、粗抗原0.5ngを検出できるassay系を開発することができた。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Application of nylon mesh in fecal examination for Eurytrema eggs2012

    • 著者名/発表者名
      Sakaguchi, K.
    • 雑誌名

      Japanese Journal of Veterinary Parasitology

      巻: 10 ページ: 21-21

  • [学会発表] 食肉由来寄生虫症2013

    • 著者名/発表者名
      野中成晃
    • 学会等名
      平成24年度宮崎県食肉衛生検査所協議会研修会
    • 発表場所
      宮崎県総合保健センター(宮崎県)
    • 年月日
      20130202-20130202
    • 招待講演
  • [学会発表] 膵蛭卵検査におけるナイロンメッシュの活用2012

    • 著者名/発表者名
      酒井博史
    • 学会等名
      平成24年度家畜診療等技術九州地区発表会
    • 発表場所
      福岡県中小企業振興センター(福岡県)
    • 年月日
      20121031-20121101
  • [学会発表] 膵蛭Eurytrema pancreaticum と小形膵蛭E. coelomaticumの遺伝学的および形態学的鑑別の検討2012

    • 著者名/発表者名
      坂口浩平
    • 学会等名
      第154回日本獣医学会学術集会
    • 発表場所
      岩手大学(岩手県)
    • 年月日
      20120914-20120916
  • [学会発表] 膵蛭Eurytrema pancreaticum と小形膵蛭E. coelomaticumの遺伝学的検討および形態学的鑑別について2012

    • 著者名/発表者名
      坂口浩平
    • 学会等名
      第6回蠕虫研究会
    • 発表場所
      青島サンクマール(宮崎県)
    • 年月日
      20120727-20120728
  • [図書] 獣医寄生虫病学2013

    • 著者名/発表者名
      野中成晃
    • 総ページ数
      160
    • 出版者
      緑書房

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi