研究概要 |
本研究の目的は,山口県で実施されているBSE検査システムと連携し,最新のMRI装置を使ってウシの頭部疾患の生前診断法(いわゆる「脳ドック」)を研究発展させることである。,21ヵ月齢以上およびBSE疑似患畜に対して非侵襲的画像診断法であるMRIを積極的に臨床応用し,以下に示すような、生前における頭部診断や病態解析および診断技術の向上,鑑別診断法の確立,ウシ脳のMRIデータなどを蓄積してきた。(1)動物用永久磁石型MRI診断装置を用いたウシ脳の撮像のシミュレーションを実施し,MRI画像の質向上や撮像時間等を改善した結果、安全で確実なウシ脳のMRI診断シス.テムが立ち上がり、その利用が可能となった。(2)BSE以外のウシの頭部や脳の疾患の研究に応用できた。(3)ウシの「脳ドック」実施準備のために,当該システムと健常牛を用いて,撮像や麻酔時間を短縮し,生前における病態解析や診断技術向上に努めた。(4)簡易パドックを作製し,一時的にウシを飼育し,MRI検査に供した。(5)BSEの発症年齢とされる21ヵ月齢以上のウシに対して生前MRI検査と死後MRI検査を実施し、生前と死後のMRI検査所見を比較した。(6)BSE疑似患畜に対してMRIを臨床応用し,その鑑別診断法の確立に努めた。(7)MRI検査したウシ脳は死後に開頭して脳を摘出し、組織学的検査用に保存している。とれらの研究目的の実現に.向けて,研究代表者が中心となって,共同研究者や連携研研究者および山口県家畜保健衛生所(BSEの確定診断等)や山口県家畜共済組合連合会の臨床獣医師(検査牛の搬入や臨床診断など),山口大学農学部獣医学科等と協力・連携しながら,研究を計画し実施してきた。しかし,一昨年,宮崎県で発生した口蹄疫の影響により,ウシの材料が激減し,今後の研究遂行に支障が生じている
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