研究課題/領域番号 |
22580363
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
上村 俊一 宮崎大学, 農学部, 教授 (90233949)
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研究分担者 |
末吉 益雄 宮崎大学, 農学部, 准教授 (10305063)
北原 豪 宮崎大学, 農学部, 助教 (90523415)
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キーワード | 黒毛和種 / プロジェステロン叙放剤 / 超音波診断 / 卵巣機能 / 子宮修復 / 発情同期化 |
研究概要 |
平成22年度は、黒毛和種における分娩後の卵巣機能回復や子宮の修復について検査し、排卵同期化-定時AI後のプロジェステロン叙放剤の膣内留置が受胎性に与える影響について調査した。尚、本年度は研究地域において口蹄疫の発生し、供試頭数が減少した。 [材料と方法]正常分娩した2産以上の黒毛和種牛で、授乳中の15頭を供した.Day0(分娩後約30日)に卵巣を観察し、黄体がある牛にはプロスタグランディンF_<2α>(PGF_<2α>)を、ないものには酢酸ブセレリン10μg(GnRH-B)を投与した。Day7に安息香酸エストラジオール(E_2)10mgを含んだカプセルが付いたプロジェステロン徐放剤(PRID)を腟内に挿入し、Day14に除去し、PGF_<2α>を筋肉内投与した。PRID除去後、48時間に酢酸フェルチレリン100μg(GnRH-F)を筋肉内投与し、56時間に定時AIを行った。Day14から28にE_2が付いていないプロジェステロン徐放剤(CIDR)を膣内留置する牛(CIDR留置群)と無処置の牛(無処置群)に無作為に分け、Day49(定時AI後31日)に早期妊娠診断を行った.各処置時に経直腸超音波診断法により卵巣と子宮の観察を行った。 [結果]分娩後発情回帰していた(黄体がみられた)牛は、Day0で供試牛の40%(6/15頭)だったが、処置後のDay7では87%(13/15頭)と有意に増加した(P=0.03)。子宮角分岐部横断面の左右直径和は、Day0、7でそれぞれ3.9±0.38、3.8±0.66cmと有意差はなかった(n=8、P=0.45)。CIDR留置群(n=4)と無処置群(n=9)の定時AI受胎率はそれぞれ75%(3/4頭)、22%(2/9頭)と有意差はなかった(P=0.39)。 [まとめ]黒毛和種の分娩後早期の適切な卵巣賦活は、子宮の大きさに変化がみられなかったが、発情回帰を促進することがわかった。また定時AI後CIDR留置による受胎性の向上はみられなかったが、供試頭数が少なかったからかもしれない。今後さらに供試頭数を増やし分析する必要がある。
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