研究概要 |
本研究では、動物に優しく(副作用が少ない)環境にも優しい(大気汚染がない)全身麻酔法の開発と普及を目指し、その最有力候補としてメデトミジン-リドカイン-ブトルファノール-プロポフォールの持続静脈内投与を用いた全静脈麻酔法(MLB-P-TIVA)の麻酔効果と安全性を実験的に検討した。本研究は、基礎的検討および臨床的検討で構成し、基礎的検討として実験馬を用いてMLB-P-TIVAの麻酔効果、 呼吸循環系への影響、中枢神経系への影響、および薬物動態を検討することを計画した。これらのうち、本年度は、臨床的検討を継続し、基礎的検討として中枢神経系への影響および薬物動態の検討を進めた。臨床的検討では、これまでに33頭の外科手術症例にMLBP-TIVAを応用し、良好な結果を得ている。基礎的検討に関しては、平成25年度にも実施を継続する予定である。 また、本年度は、昨年度終了した基礎的検討の [1]馬におけるMLB-TIVAの麻酔効果の検討、[2]MLB-P-TIVAにおける馬の呼吸循環器系への影響、および[3]MLB-P-TIVAにおける調節呼吸と保定体位が馬の循環器系へ及ぼす影響について、二つの国際学会(11th World Congress of Veterinary Anesthesia,Cape Town, 2012年9月;2nd Conference of Asian Society of Veterinary Surgery, 南京,2012年11月)にて発表した。さらに、これらの研究成果について学術論文への投稿を進め、このうち、[1]馬におけるMLB-TIVAの麻酔効果の検討について、日本獣医学雑誌(Journal of Veterinary Medical Science, JVMS)に受理された。残りの検討結果に関しては、平成25年度の受理を目指して作業を進めている。
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