研究課題
乳牛におけるプロトテカ乳房炎の集団発生は、酪農家へ甚大な損失となりすい。さらに乳製品の国内生産の向上のためにも早急の対策が必要である。しかしながら、本邦でプロトテカ乳房炎の疫学調査および防除対策は今まで十分に検討されていなかった。そこで今回、本研究を計画した。まず、PCR法によるプロトテカGenotype特異的検出法を確立し、それを用いて各県の農業共済および家畜保健所の獣医師の協力のもと、乳汁、バルク乳、牛舎環境から病原性Genotype株を検出する。さらに、乳房炎分離株に対して抗菌活性の強い抗菌剤・消毒剤を選択し、これらを発症農家で使用して防除効果の検討を行う。1.PCR法によるプロトテカ乳房炎の迅速診断法の確立多数の試料から迅速診断を行うために、試料から抽出したDNAからPCR法を用いて特異的にP.zopfiiの各Genotypeの検出法を確立する。これによって短時間で診断可能となる。2.プロトテカ乳房炎の分子疫学調査各地の農業共済および家畜保健所からの試料からPCR法でプロトテカの検出を行い、全国的に本疾患の原因菌が2型によるものかどうか確認し、さらに感染源の特定を行う。また各地から送られたた乳房炎の乳汁から菌を分離し、次年度の研究に使用する。3.プロトテカ乳房炎の防除法の検討プロトテカ症に対する治療用の各種抗菌剤と消毒剤の抗菌試験を行う。効果が認められた薬剤を用いてNOSAI愛知県で治療や搾乳機、乳房、乳房清拭用タオルに対する防除対策を実施する。
すべて 2011
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)
Journal of Veterinary Medical Science
巻: 73 ページ: 117-119
Medical Mycology
巻: 49 ページ: 222-224