研究課題/領域番号 |
22580373
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
加来 伸夫 山形大学, 農学部, 准教授 (80359570)
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キーワード | 自然循環システム / 自然エネルギー / 微生物燃料電池 / メタン放出 / 光合成 |
研究概要 |
昨年度の結果から、水田に設置したSMFCの発電量は光条件に大きく影響を受け、日光が正極に当たると発電量が高くなることが分かった。その理由として、正極上に付着した光合成微生物の光合成により生じた酸素が、正極における電子処理反応を促進することが考えられた。酸素の影響を調べるために、暗条件下での発電量を、エアレーションの有無で比較したところ、エアレーション無しよりも有りで発電量が高いレベルで維持された。また、正極の位置や形状が発電量に与える影響を調べたところ、正極の位置と形状の両方が発電量に影響することが示唆された。 どのような微生物が正極上で発電に関与しているのかを明らかにするために、正極上に発達する微生物群集の構造を明らかにするために、SSUrRNA遺伝子塩基配列に基づいた群集構造解析を行った。その結果、単細胞性藻類やシアノバクテリアを含む多様な光合成微生物が正極上に生息していることが明らかになった。光合成微生物の分離にも取り組み、数株の単細胞性藻類やシアノバクテリアを純粋分離することに成功した。 水田に設置したSMFCの負極で発電に関与している微生物の分離にも取り組んだ。負極のからは、Clostridium属やBacillus属に近縁な細菌が多数分離され、それらの特徴付けを進めた。その結果、Clostridium subterminaleに99%以上の16S rRNA遺伝子配列類似性で関係づけられたAN3株は、明らかな発電性を示すことが分かった。今後、他の菌株についても発電生の有無を確認していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書の「研究の目的」に記載した研究実施計画に概ね沿って研究を実施することができた。 現在のこところ、研究を遂行する上で大きな障害となる問題は生じていない。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでに得られた結果の再現性を確認するとともに、以下の内容について研究を行う予定である。 1. 水田に設置した堆積相微生物燃料電池の負極から分離した発電生微生物の特徴付けを進める。また、新たに発電生微生物の分離を試みる。 2. 正極から分離した光合成微生物が発電に与える影響について明らかにする。 3. 堆積相微生物燃料電池の設置が水田生態系に与える影響について明らかにする。 現在のところ、研究を遂行する上で大きな障害となる問題は生じていない。
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