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2010 年度 実績報告書

磯焼けと海水の質との関連性についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 22580379
研究機関長崎大学

研究代表者

桑野 和可  長崎大学, 大学院・生産科学研究科, 准教授 (60301363)

キーワード海洋保全 / 海洋資源 / 水産学 / 海藻
研究概要

外海に接した海域に生育するアラメ・カジメ類は、栄養塩濃度が低くても効率よく吸収できる能力はあるが、海水の汚れに対する耐性は低いのではないかと考えられる。栄養塩の制限をはじめ各種ストレスに対して、アラメ・カジメ類がどのように応答するか明らかにすることは、野外に生育している藻体がどのようなストレスを受けているか診断する上で重要である。特に、海水の質を比較する際には、海水の質の違いが単に基本的な栄養塩類、つまり硝酸塩やリン酸塩濃度の違いで説明できるのか、それともそれ以外の要因が影響しているのか区別する必要がある。そこで平成22年度は、アラメ・カジメ類の連続培養系を確立するとともに、硝酸塩、リン酸塩濃度が成長速度にどのように影響するか検討し、さらに、これらの栄養塩類が不足した場合に特徴的に生じる藻体の変化について観察した。アラメの雌雄配偶体(糸状体)の成熟条件を検討した結果、26℃で雌雄別々に培養している配偶体を混合後、15℃に移すことによって2週間後には成熟し、幼葉状体が得られることがわかった。幼葉状体を新鮮な培養液が常に供給される連続培養系で育てると、1ヶ月で約15cmに育てることができた。このような実験系を用いて、窒素制限下でアラメを培養した。添加硝酸塩濃度が12.6μM以下になると、培養2週目から成長帯付近の色が落ちはじめ、その後色落ちは全体に広がって、最終的には先端側が著しく白化した。成長速度はいずれの硝酸塩濃度でも時間の経過とともに低下し、また、添加硝酸塩濃度が25.2μM以下になると濃度依存の傾向が認められた。ゴンペルツ曲線に近似した結果、25.2μMを超えると成長に差は認められなくなった。

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公開日: 2012-07-19  

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