研究課題
①MIWI/PIWIL1の機能解析昨年度までの、lambdaNペプチド融合MIWIと6BoxB含有レポーターアッセイ系を用いたMIWIの翻訳における機能解析の結果、ホタルルシフェラーゼ(F-Luc) mRNAのORF下流にBoxB配列6個をタンデムに挿入した融合遺伝子 (F-Luc-6BoxB)に対しては、その翻訳を抑制した。しかし、F-Lucの代わりにウミシイタケルシフェラーゼ(R-Luc) mRNAを用いた場合、有意な効果は認められなかった。申請者らはまた、MIWIは翻訳抑制因子PAIP2をエフェクター因子として機能すると考えていたが、精巣抽出液をグリセロール密度勾配遠心を用いて分画したところ、両者は異なる分布を示した。これらの結果から、MIWIはポリソームにも分布し、またポリ(A)鎖結合タンパク質ともPAIP2とも結合するが、実際には翻訳には関与していないことが考えられた。②Y-boxタンパク質の機能解析プロタミンなどの半数体特異的mRNAの3'非翻訳領域に結合するMSY2やMSY4は、精巣においてPABPCとともにおもにmRNP画分に存在することから、mRNAの保存と翻訳遅延にかかわっていると考えられている。これらタンパク質のlambdaN融合タンパク質とBoxB含有レポーターRNAを用いて、それらの翻訳におよぼす影響を培養細胞を用いて調べたところ、翻訳を活性化することが判明した。Y-boxタンパク質は、PABPCと直接結合することから、この翻訳活性化効果はPABPCをリクルートするためであると考えられる。このことはまた、精巣においてY-boxタンパク質が翻訳抑制的に機能するためには、ほかに協働因子が必要であることを示唆している。特異的抗体の作製が完了したので、免疫沈降法等により相互作用因子の探索を行っている。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Biology of Reproduction
巻: 88 ページ: 1-8
DOI:10.1095/biolreprod.112.107425
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