五環性骨格を有するリコポジウムアルカロイドであるリコナジン Aの全合成経路を確立した。高度に縮環した四環性骨格をアザプリンス反応と電子環状反応に続く炭素-窒素結合の形成を鍵反応として構築し、その四環性骨格上のブロモアルケン部位を、アルケニルアジド化合物を経由してエノンへと変換した。そのエノンに対して独自に開発したピリドン合成を適用することにより、リコナジン Aを得た。上記のエノンよりジヒドロピリドン環を構築することで、リコナジン Bの合成を行なった。また鍵となる炭素-窒素結合の形成を行なわずに電子環状反応を行なう条件を確立し、リコナジン Cの合成を行なった。
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