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2011 年度 実績報告書

ビアリール型天然有機分子の合成

研究課題

研究課題/領域番号 22590003
研究機関富山大学

研究代表者

阿部 仁  富山大学, 大学院・理工学研究部(工学), 教授 (70221728)

キーワードポリフェノール / エラジタンニン / パラジウム / 全合成 / ビアリールカップリング / 位置選択性
研究概要

1.前年度の研究において、ポリフェノール性天然有機分子の一種であるエラジタンニン類isorugosin Bおよびrugosin Bの全メチル誘導体の合成を完了した。本年度は、標的であるisorugosin Bおよびrugosin Bの合成に向けて、保護基の検討を行なった。その結果、全ベンジル体が相応しい保護基であることがわかった。また、これら化合物の部分構造であるビアリールエーテル部位は直接的な合成が困難であったため、詳細に検討した。反応部位近傍の立体障害を軽減するために基質分子の設計を行なうことで、通常のUllmann縮合反応によりビアリールエーテルの合成が可能となった。
2.Graphislactone類の中には、優れた生物活性を示すものがありその全合成には興味が持たれる。特に、合成の鍵反応として分子内ビアリールカップリングを用いれば、本系化合物の短工程合成が達成できる。しかし、graphislactone Gの合成では、ビアリールカップリング反応の際の位置選択性が問題となるため、詳細に検討した。その結果、高い位置選択性で目的物を合成する条件を見いだし、全合成を達成した。また、ここで得られた結果をもとに、palmariol Bの合成を行なったところ、鍵となるカップリング反応の位置選択性はやはり良好であることがわかった。
3.フラノイルエステルを用いたビアリールカップリング反応を検討し、乳がん細胞の増殖抑制効果を有するneotansinlactoneの簡便合成法を検討した。本年度においては、カップリング反応前駆体の調製を行なった。この過程で、3,4-二置換フラン誘導体の効率的な合成法を確立した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実施計画に記載した項目のうち、graphislactone Gの全合成を達成できたほか、neotanshinlactoneの合成についても予備試験を行なうことができ、ほぼ完了している。エラジタンニン類の合成についても、エーテル結合の条件を見つけることができ、本研究は着実に進行していると考える。

今後の研究の推進方策

次年度は、本研究課題の最終年度となるので、残された問題点に精力的に取り組む。現在のところ、研究は順調に進展していると考えられるので、申請時の研究計画調書に基づき、さらなる展開を図る予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Highly Regioselective Intramolecular Biaryl Coupling Reaction of a Phenyl Benzoate Derivative for the Synthesis of Graphislactone G2012

    • 著者名/発表者名
      H. Abe, T. Matsukihira, T. Fukumoto, Y. Horino, Y. Takeuchi, T. Harayama
    • 雑誌名

      Heterocycles

      巻: 84 ページ: 323-326

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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