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2011 年度 実績報告書

消化管免疫応答を制御する冬虫夏草属菌由来の高分子アジュバントに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22590004
研究機関金沢大学

研究代表者

高野 文英  金沢大学, 薬学系, 准教授 (20236251)

キーワード冬虫夏草 / 糖タンパク / 構造 / 免疫アジュバント / 経口免疫 / アミノ酸 / 多糖
研究概要

1.研究成果の具体的内容
当該研究は,消化管免疫応答を制御可能な免疫アジュバントを冬虫夏草属菌の培養液から見出すことを目的とし,この機能性を解析することで新規な消化管機能改善や食物アレルギーを改善可能な創薬シーズあるいはリード化合物とすることを目標にした研究である.平成22-23年度における研究の実施において,Paecilomyces tenuipesの大量培養に成功し,ここから経口免疫を上昇させる画分を精製することができた.
2.冬虫夏草属菌由来糖タンパク構成成分
培養物から分画・精製した免疫活性化アジュバント物質は,多糖含有量が約70%,蛋白が約10%を含有する.蛋白について,アミノ酸分析を実施した結果,グルタミン酸含有率が最も高く(10%以上),ついでプロリン(4%),ロイシン(3%),セリン(2%),アラニン(2%),アスパラギン酸(2%),アラニン(2%),フェニルアラニン(2%)であった.さらに,多糖について糖鎖解析を実施した結果,β(1→3)グルカンが主たる構成多糖であることが明らかにできた.現在,この糖タンパクの免疫アジュバント活性を評価するとともに,現在,構造についてさらに詳しく解析を行うため,菌を大量培養して糖タンパクのスケールアップを行っている.
さらに,冬虫夏草はいくつかの食材とともに薬膳として利用し,効果が高められたとされることから,冬虫夏草の薬膳に利用されるにんにくや唐辛子についても経口免疫アジュバント活性を調べた.その結果,これらの食材にも顕著な増加活性を明らかにすることができ,論文にまとめて学術報告することができた.
24年度も引き続き,冬虫夏草属菌由来糖タンパクの構造解析を進める.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

冬虫夏草属菌由来の糖タンパクの含有量は0.3%(w/w)程度と非常に少ないく,初期の菌培養が大きな律速となるが,23年度は天候不順や震災などの影響を受けながらも大量培養に成功し,画分の成分精査を実施することができた.さらには,他の冬虫夏草属菌やそや他のサンプルによる消化管免疫への影響を調べることで,新たな活性を見出すこともできた.

今後の研究の推進方策

次年度は研究計画の最終年度であることから,これまでに明らかにできた糖タンパクの構造をさらに明らかにするのと,研究報告をまとめて論文化する.さらに,発展が望める他の冬虫夏草属菌(Cordycepsなど)については,次年度以降も研究を推進し,新たな免疫アジュバントの候補を見出す予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Stilbenoids from the melinjo (Gnetum gnemon L.) fruit modulate cytokine production in murine Pever's patch cells ex vivo2011

    • 著者名/発表者名
      H.Kato
    • 雑誌名

      Planata Medica

      巻: 77 ページ: 1027-1034

    • DOI

      DOI:10.1055/s-0030-1250742

    • 査読あり
  • [学会発表] ニンニクとその含硫化合物のマウス小腸パイエル板細胞におけるサイトカイン産生に及ぼす影響,および発現遺伝子の網羅的解析2011

    • 著者名/発表者名
      室賀翔太
    • 学会等名
      第4回食品薬学シンポジウム
    • 発表場所
      慶応大学(東京都)
    • 年月日
      2011-10-28

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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